兵庫県立芸術文化センターでは、会員を対象にして不定期に行われているバックステージツアーがあります。
9月には大ホールを使ったバックステージツアーがありましたが、
(その模様はこちら→バックステージツアー@兵庫芸文センター)
コロナ対策で緊急事態宣言中でもあったため、バックステージというより裏方さんの仕事紹介が多かったようです。
(舞台裏という意味では、それもアリですけど)
10月に入って緊急事態が解除されたこともあり、中ホールでも同じようなツアーが開催されると知って、早速申し込みました。
2,000席余りのキャパがある大ホールに比べると、中ホールは800席なのでこじんまりしていますが、演劇やミュージカル、古典芸能など、様々な形態の公演が行われています。
🎭 🎭 🎭 🎭 🎭 🎭 🎭 🎭 🎭
21日朝10:30 受付を済ませて、スタッフの先導で中ホールの客席へ。
前日まで行われていた、野村萬斎さん主演の狂言公演の能舞台がそのまま残されていました。どうやら、この舞台を使って説明があるようです。
最初に技術スタッフから、この中ホールの特徴の説明がありました。さまざまな演目に対応できるように、舞台や座席は「仮」という形態をとっているそうです。
例えば、客席の前から3列目まではオーケストラピットに変えられる、8列目までは座席を取って舞台にできる、残響は人の声がマイクなしで客席に届くように0.9秒に設定されているとか、云々。
舞台の幅は19m、客席の奥行きは20mという、演じやすい、観やすい構造で、壁や天井は杉、床は松、座席の肘掛けはマホガニーと、それぞれ落ち着いた色合いで舞台に集中できる配色だとか。
次に能楽の専門家の方から、能の歴史的背景と能舞台の説明がありました。
目の前の舞台はもちろん常設ではなく、公演のための仮設舞台ですが、ちゃんと昔からのしきたりに則った作りになっています。(図面参照)
舞台は三尺(約90cm)X 十二尺(約364cm)の檜板が敷き詰められ、シテ役(主役)が演じる本舞台(三間 X 三間)には四方に柱が立てられていて、それぞれ役目があるそうです。
また、舞台奥の壁(鏡板というそうです)に、なぜ松(五葉松)が描かれているのか知りませんでした。これは昔から奈良の春日大社で行われている「若宮おん祭」に由来するそうで、春日大社の一の鳥居の横にある神の化身と言われる「影向(ようごう)の松」を写していて、本舞台に通じる通路(橋掛)は神社の参道を表しているとか。
こういう古典芸能のウンチクはなかなか自分では調べないので、かなり参考になりました。
🎭 🎭 🎭 🎭 🎭 🎭 🎭 🎭 🎭
そして、この日一番期待していたバックステージへ向かいます。この日の参加者25人が3つのグループに分かれて、スタッフの説明を聞きながらホール内を移動します。
最初に舞台袖に周り、舞台装置の搬入口へ。高さが6mもあり、それだけ大きな装置が搬入できるということですね。
次に楽屋に回り、いわゆる大部屋という楽屋に入らせてもらいました。
大ホールのツアーの時にはシャッターが降りていたピアノ保管庫も、この日は見ることができました。手前がスタインウェイ、奥がヤマハのグランドピアノです。
そのピアノをまるまる移動させるエレベーターに乗って4階まで上がり、舞台の天井裏へ。
配管が入り乱れる天井裏のキャットウォークを慎重に進むと
先ほど見ていた舞台の真上に出ました。(ここは高所恐怖症の人は無理ですね)
奥を見ると、舞台装置の幕や照明装置などを吊るす棒(バトンといいます)が並んでいます。中ホールでもバトンは44本もあるそうです。
上を見上げると、そのバトンを吊り下げている格子状のスノコが見えます。舞台裏の階段や天井がスノコになっているのは、万が一火事になった場合に天井のスプリンクラーの水がそのまま舞台まで落ちるようにする為だとか。
その後は、これも格子になった階段を伝って、舞台下まで降ります。
舞台下は、照明装置やひな壇を作る箱馬などの保管場所になっていました。この保管庫の天井がやけに低いなと思っていたら、この下に西宮の名水「宮水」が流れているので、これ以上深く掘れなかったのが理由だとか。
ここで特別サービスとして、オーケストラピットに変える装置に乗って、座席ごと迫り上がる体験をさせてもらいました。
前3列の座席が降りてきて、座ったまま元の高さに戻ります。
最後に能舞台を歩く体験をさせてもらいました。もちろん土足で上がることはできないので、靴を脱いで上ります。
御幕(おんまく)を上げてもらって舞台へ。
「ああ、こんな感じなんだ!」と初体験。
舞台を一通り歩いた後は
舞台裏へ。
見上げると、さっきまで見ていたバトンが見えますね。
舞台から客席を見る機会もなかなか無いです。
約1時間半にわたるバックステージツアーはこれで終了。舞台上の天井とか、地下(奈落)の様子とか、一般人がなかなか入れない場所に行くことができて、貴重な体験をさせてもらえました。






















