先週の土曜日12日、初めの予定ではシラモトテッパンなんかを背負って、近場の山に登って山メシをしようと計画していたんです。
ふと、この日は比叡山インターナショナルトレイルランのレースがある日やん!と気がつき、ラン友さんがいっぱい出走したり、ボランティアで誘導やエイドの設営をすると聞いていたので、私設エイドをしてみようと数日前に急遽予定を変更。
そんな気まぐれな思いつきに、ラン仲間の塩ちゃんときむこちゃんが付き合ってくれました。
朝7:00 京都の叡山電車出町柳駅に集合した後、近くのコンビニでエイドのドリンクを手分けして買い込み、あらかじめ用意して来た登山用のザックに詰め込みます。この日は暑くなる予報だったので、私の経験からコーラが一番飲みたくなるだろうと思ってコーラを多めに、その他スポドリや水、ウーロン茶など、家から凍らせて持ち込んだ分も合わせると全体で20Lほど(ペットボトル10本以上!)を3人で手分けして背負います。
飴やチョコ、ドライフルーツ、塩飴などの食料は事前に買い込み、それらを置く折りたたみテーブルなどを併せると、私の背負うザックの重さは10kg以上に ^^;
出町柳駅7:22発の電車に乗り込むと、車内にはランナーらしき人も数人乗り合わせていました。
終点の八瀬駅はちょっとレトロな感じです。
そのまま歩いて5分の比叡山ケーブル八瀬駅へ。
大会参加者のために7:45に臨時便が出るのです。乗車券を買おうとした時、名前を呼ばれて振り向くと、顔見知りのラン友さん達の姿が。
ケーブルの乗客は、ほとんどがランナーでした。これで標高500mほどを一気に登ります。
そのままロープウェイを乗り継ぎ、比叡山頂駅へ。
標高840mの山頂駅に降り立つと、さすがに空気が冷んやりしています。
山頂駅から大会会場のある延暦寺根本中堂の前まで、ランナーには無料のシャトルバスがありますが、我々は歩いて会場方面へ向かうことにしました。
きむこちゃんは比叡山が初めてということだったので、最高峰の大比叡(標高848m)に寄ってみました。(ここは目立たない場所にあるので、結構見逃してしまうのです)
そのまま根本中堂に向かおうとしたのですが、ちょっと道を間違えてしまい、戻ろうとしたところへボランティアスタッフとして誘導地点へ向かうラン友さん達とバッタリ。
スタート地点へ向かう途中でも、何人かの知り合いに出会いました。みんな同じように沿道応援やボラスタッフとしてコース誘導するために移動中だったようです。
スタート・ゴール会場の根本中堂付近は混雑していると思い、スタート直後に通る阿弥陀堂前の坂道でランナーを待ち構えることにしました。
8:50 まず50mile(約80km)のレースがスタートしました。号砲と共にお寺の鐘がゴォ〜ンと鳴るのがお寺らしい趣向でした。
累積標高5,500m(!)というこの過酷なレースには、トレランの猛者達約200名がエントリーしています。ここまで先導するのは、大会プロデューサーでプロのトレイルランナーでもある鏑木毅さんです。
9:00 50kmの第1ウェーブのランナー約500名がスタート。ラン仲間の姿があちこちに。こちらから見つける前に、声をかけてくれるランナーもいます。
9:20 50kmの第2ウェーブがスタートして、すべてのランナーが目の前を通り過ぎて行きました。50kmでも累積標高は3,700mもあり、それに挑戦しようというランナーはホント尊敬します。全員が無事ゴールできるように祈りながら、その場を後にしました。
比叡山山頂付近に広大な敷地を持つ延暦寺は、境内の広さもハンパないのです。根本中堂のある東塔エリアから、西塔エリアへ移動するのも結構時間がかかります。
我々3人は、西塔エリアから京都トレイルの北山コースに合流して、水井山に向かって移動しました。トレイルの道標には、この日だけの大会コース誘導テープが取り付けられています。
私設エイドを設営するのに先立って、場所をどこにしたらいいか数日前にコース図とにらめっこ。公式エイドと給水所、私設エイドがあると聞いていた場所を除いて、重いペットボトルを背負ってアクセスしやすい場所を探した結果、27km付近の水井山と仰木峠の間にしようと決めていたのです。
トンネルをくぐり
階段を登り
玉体杉の大木を過ぎるあたりでは、京都の街並みが見えます。
横高山の手前にあるせりあい地蔵前では、ボラスタッフによる給水所の設営が始まっていました。
横高山の急登は何回も登ったことがありますが、今回は重いザックを背負った登りなのでいつも以上にシンドい。一気に登れるわけもなく、途中で休憩をしながらの登頂です。
山頂付近ではヤマツツジの花が咲いていて、ちょっと和みました。
水井山の山頂を過ぎて
エイドが設営できそうなフラットで広い場所を探します。
良さげな場所を見つけてみると、そこではボランティアの大会カメラマンがランナーを撮影する準備をしているところでした。(京都トレイル北山コース16-1の道標付近です)
テーブルを広げて設営準備をしながら、そのカメラマンと話をしていると、PRビデオのためにインタビューを申し込まれ、カメラが回る中いろいろ聞かれました。(ひょっとしたら公式ビデオに写っているかもしれません?)
11:30 私設エイドの設営完了。後はランナーを待つだけです。気温がどんどん上がっていたので、できるだけ冷たい状態で飲み物を出せるように、日陰の場所をキープ。
ここをランナーが通過するのは、早くても12:00前くらいかなと予想していたら、
12:05 トップランナーが走り込んで来ました。当然我々のエイドには立ち寄ることもなく、走り去って行きましたが。
(彼はこのままトップをキープして、50mileを9:26:29(!)という驚異的なタイムでぶっちぎりで優勝しています)
その後も2人、3人とバラけてランナーがやって来ました。夫婦で入賞したNさんも最初に旦那が、少しだけ遅れてヨメさんが挨拶して走り去って行きました。(この夫婦も共に入賞しています)
トレランショップのK店長やS店長、プロトレイルランナーの大杉選手の姿も発見。
13:00を過ぎる頃(スタートしてから4時間過ぎたあたり)から、まとまってランナーが次々とやってきます。
N君、ケンケン、ヒロミ姐さん、じゃじゃ君、知り合いが続々と寄ってきてくれました。
やはり予想通りコーラが一番人気、水やスポドリもかなり早いペースで無くなっていくので、いつまで持つか心配になって来ました。
今回感心したのが、ランナーの持っているマイコップのバラエティの多さ。ソフトフラスクやペシャっとなるゴム製コップはもちろん、ペシャンコになる袋状のもの(salomon製?)や、牛乳パックを切って折りたたんだアイデアもの、などなど。(一つづつ写真を撮っておけばよかったとちょっと後悔)
給食に用意した塩アメや干し梅、ドライフルーツ、冷凍したグミやフルーツジェルは人気があり、チョコやせんべいも意外に手を出してもらえました。
やはり気温が高くなったせいでしょう、「足が攣ってシンドい!」というランナーが多かったです。水を首筋にかけて暑さを凌ぐランナーもいましたね。エアサロにも結構手が伸びていました。
50mileのランナーは約1/3弱、50kmはコースの約半分を過ぎたあたりなので、まだまだ余裕の表情で進むランナーもいれば、すでにヘロヘロの状態でやってくるランナーもいました。
14:00を過ぎて、通りかかるランナーの数も次第に多くなり、ペットボトルのドリンクの残りがあと数本と予想以上の減り具合。保冷用にと少し積んできた氷も持ち出して、少しでも多く冷たいものを出してあげようと工夫しますが.....。
それでも、次々とランナーがやってくるので、求められるままドリンクを提供し続けました。
「ここまで持って上がってくるの大変だったでしょう!?」というランナーには
「皆さんのシンドさに比べたら全然余裕ですよ!」と答えておきました。
14:30過ぎ、とうとう予想よりかなり早くドリンクが無くなってしまい、やむなく撤収。本当はこれ以降に通過するランナーのほうがエイドが必要なのに、なんとも心残りでした。
空になったペットボトルやゴミくずは、(当たり前ですが)ザックに入れて持ち帰ります。もちろん背負ってきた時とは重さが全然違うので、全く苦にはなりません。
そのまま仰木峠を越えて、大尾山へ向かうランナー達を少し見送り、我々は京都トレイルに沿って、大原エリアの南端の戸寺地区まで降りて行きました。
車道に出て、バスの時間をチェックすると30分ほどあったので、久しぶりに味工房「志野」に寄りました。エイドをしていた間はトイレもなかったので、ここでようやく休憩できました。
一杯100円の冷たい「しそジュース」(ここでは「赤ちそドリンク」というらしいです)でさっぱりした後、お土産に余分な添加物などが入っていない天然素材100%のドレシングを買ってしまいました。
大原発のバスは、乗り込む時にはすでに満員状態で、立ちっぱなし。市内中心部の烏丸四条に着くまでに渋滞もあって1時間以上かかってしまい、疲れが残りました。
思いつきで始めた私設エイドでしたが、思いのほかランナーに喜んでもらえて、苦労して背負って登った甲斐がありました。そして、この過酷なコースに挑戦するランナーのみなさんからパワーをもらえたことが、何より一番嬉しかった。
ランナーとして走ることは絶対にありえないので、来年はボランティアスタッフとして大会に関わるのもいいかな?と思った1日でした。