からの続きです。
3日目
3:00に目覚ましの音で起床。着替えて表に出てみると快晴ではないものの雨は降っていません。辺りもすでに明るくなり、利尻山もくっきりと見ることができます。
ペンション専属のガイド塩崎さんと2.5合目(標高210m)の北麓野営場にある登山口まで車で向かいます。今日は我々二人だけのツアーになりました。
ものの5分ほどで登山口に到着。
4:00 装備を確認して出発しました。利尻山は途中にトイレがないので、必ず携帯トイレを持って行かなくてななりません。
しばらく歩くと、日本名水百選に選ばれている甘露泉水に着きました。一口飲んでみると、冷たくて甘いとても美味しい水です。ここでペットボトルに水を汲んで行く登山者も多いそうです。
4:20 すぐに3合目(標高270m)の標識が見えてきました。
この辺りは、エゾマツやトドマツの原生林になっています。しばらくは緩やかな上りが続きます。
5:10 4合目(標高390m)に到着。標識に野鳥の森とあるように、そこかしこでウグイスやクマゲラ、コマドリなどの鳴き声が聞こえてきますが、姿を見ることは出来ませんでした。
この辺りからダケカンバなどの木が雪の重みで曲げられて、地面と平行に伸びている風景が目立ってきます。
5:40 5合目(標高610m)を過ぎました。雷鳥の道標とありますが、ライチョウが生息しているわけではないそうです。この辺りから道幅が狭くなりジグザグの坂道が続きます。
6:10 6合目(標高760m)に着きました。ここで朝食を兼ねてしばらく休憩です。ペンションで作ってもらったおにぎりや行動食を口にしました。
第一見晴台と名付けられているように、一気に視界が開けて見晴らしのいい場所です。見上げると稜線が見えますが、頂上はその向こうに隠れてここからは確認出来ないそうです。
この頃はまだ雲ってはいるものの、麓の鴛泊の町を望むことができました。
6:50 7合目(標高895m)を通過しました。胸突き八丁と書いてあるように、ここから勾配がキツくなってきます。
しばらく岩場を登り続けると
再び見晴らしが良いところに出ました。綺麗な雲海を見ることができます。時折日差しもあり暑いくらいだったので、重ね着していたウィンドブレーカーなどを脱ぎました。
7:45 8合目(標高1,218m)に着きました。ここはむかし北海道庁長官が登って来たということで、長官山と名付けられています。ややガスがかかってきましたが、山頂が目の前にはっきりと確認できて山の稜線がはっきり見えます。まさに絶景ですね。
雨風に晒されて文字も読めなくなった長官の句碑と、残雪がきれいな利尻山の眺望です。
予報では9:00ぐらいから天気が崩れてくるようなので山頂に着く頃には雨かもしれないと半分諦めつつ、それでもこのまま天気が持ってくれるように祈りながら出発しました。念のためレインウェアを重ね着しておきます。
ここからは稜線伝いに登ります。
上の写真の真ん中に小さく見える避難小屋に着いたのは8:00過ぎでした。
次第にガレ場が多くなり、下からガスが上がって来て視界も悪くなってきました。
8:40 9合目(標高1,400m)を通過。ここからが正念場とあるように、勾配のきつい登りが山頂まで続く踏ん張りどころです。
次第にザレ場になってきて、土の色も昔火山だった名残の赤茶色に変わってきました。
滑りやすい傾斜を慎重に登って行きます。
小雨が降り始め、風も少し強くなってきました。
そして
10:00 やっと利尻山山頂(標高1,721m)に到着しました!
それほど広くない山頂には10人程の登山者がいましたが、横殴りの雨風が強く吹き付けて長く居られません。体感温度は10℃以下だったと思います。
山頂の神社にお参りしたあとは、ガスで全く視界の効かない中を早々に下山することにしました。
次第に雨足も強くなり、ザックカバーやウェアがかなり濡れてきました。
11:50 避難小屋までも戻って来たので、ここで昼食とトイレ休憩をすることにしました。
残りのオニギリと行動食を食べ、ガイドさんがお湯を沸かして作ってくれたカフェオレで暖まります。
小屋の裏にあるトイレブースで用を足します。こんなブースが登山道に3ヶ所ほど設けられていますが、便器がある訳ではありません。分かりやすくいうと洋式トイレのU字型の台座だけがあり、そこに簡易トイレを取り付けて用を足した後は凝固剤で固め、袋に入れて麓まで持ち帰る決まりなのです。
あまりのんびりすることもなく、避難小屋を出て下山を続けます。
ひたすら下りて、下りて、休憩することもなく下り続けて、登山口に戻って来たのは14:50頃。片道約8kmの登山道を、上りは約6時間下りは約4時間半というほぼコースタイム通りのスケジュールでトレッキングすることができました。
登山口にはホースとブラシが置いてあり、ここで汚れた登山靴やゲイターを洗うことが出来るようになっているのは助かりますね。もっともこの日は雨であらかた流れ落ちていましたが。
わりと早く下山出来たので、近くにある利尻温泉までガイドさんに送ってもらい汗を洗い流すことにしました。雨に濡れたウェアから普段着に着替え、ザックに汚れ物を無理矢理詰め込んでいくとズッシリと重くなりました。
1時間後に再びガイドさんにフェリーターミナルまで送ってもらい、ここでお別れです。
17:10 利尻島の沓形港からそのままフェリーで稚内に向かいます。
1時間40分ほど揺られて稚内港に着いた後は、雨の降る中をそこからほど近いビジネスホテルにチェックイン。明日は朝からバスで稚内観光をして締めくくります。
続く