感染遊戯
を読む。

警察小説はいっぱいあるけれど、やっぱり大沢在昌の「新宿鮫」シリーズと女性刑事ものではこの姫川玲子シリーズが一番好きだ。
竹内結子が姫川警部役として放送されたテレビドラマ「ストロベリーナイト」が好評で、映画にもなったのは記憶に新しい。姫川役は松島菜々子でという話もあったらしいが、私は竹内の方が小説のイメージに近いと思う。(篠原涼子ではちょっと線が細いし、米倉涼子ではキツすぎる)
ドラマの配役でいえば姫川のライバルである勝俣警部(通称ガンテツ)役を演じた武田鉄矢が以外にハマリ役だった。ネチっこさといやらしさのまじった悪徳刑事の雰囲気がよく出ていたと思う。
今回の小説「感染遊戯」は姫川シリーズと銘打っていながら、姫川が主人公ではない。彼女の部下や周辺の刑事達が主に登場するスピンオフ小説である。収められているのは、4つの中短編小説。
第一話 感染遊戯 ガンテツが主人公
第二話 連鎖誘導 姫川シリーズではちょっとしか登場していない端役の元刑事の倉田が主人公
第三話 沈黙怨嗟 姫川の部下の葉山が主人公
一見バラバラにみえた三つの殺人事件が
第四話 推定有罪 ではそれぞれの事件がパズルのピースを当てはめるように見事に繋がり、ガンテツを中心にして事件が解決してゆく、という凝ったつくりになっている。第一話から第三話に仕掛けられた伏線が生きていて、それぞれの事件を別の視点から見直すという仕掛けにもなっている。
現代の官僚社会の問題点をあぶり出しながら、ネット犯罪という新たなテロの手口も取り入れつつ、一級のエンタテイメント小説に仕上げる誉田哲也の筆力に感心してしまう一冊だった。