晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

晴れた日は山に登り街を走り、 雨の日は好きな音楽を聞きながら本を読む
そんな暮らしがいい!

大阪府と奈良県の県境にある柏原市亀の瀬地区に、「亀の瀬地すべり歴史資料室」という施設があります。そこで行われるガイドツアーが、プロジェクションマッピングの上映もあって結構面白いらしく、ラン友さんがマラニックイベントを企画してくれました。

 

7月14日日曜日。天気予報は曇り時々雨模様なので、濡れるの覚悟で向かいました。

 

集合場所はJR和歌山線の畠田駅。畠田ってどこ?と調べたら、JR大和路線の王寺駅から乗り換えて、和歌山に向かう一駅目でした。こんなことでもないと絶対降りない駅です。

 

朝7:30過ぎに畠田駅に集まったのは、遠くは滋賀県や兵庫県からもやってきた8人のランナーたち。ラン友やまもっさんの企画ですが、案内はジモティのよっちゃんが担当してくれました。

 

この日のコースです。約17kmありました。

 

畠田駅は、聖徳太子で有名な奈良県王寺町なので、駅前には太子の愛犬?といわれる雪丸のモニュメントがあります。

 

途中で通り抜ける住宅街にも、飛び出し坊やならぬ「飛び出し雪丸」があちこちに。

 

まずは明神山に向かいます。山頂へのルートはいくつかありますが、今回は畠田古墳を通るコースへ。舗装道路から外れてトレイルコースに入ります。

 

畠田古墳に到着。古墳の少ないエリアなので、単独で残っているようです。石室にも入れますが、それほど広くはないものの、しっかりとした造りでした。

 

整備されたトレイルを走ります。雨予報のはずが時折陽が差すので、湿気もあって結構暑い💦。

 

トレイルを抜け、ロードの参道に合流。勾配のある道を登ります。

 

途中で、この後に向かう亀の瀬の地すべり地区が見えました。

 

明神山の山頂(標高274m)に到着。私が登頂するのは3回目。山頂には広い広場があり、地元のハイカーさんたちの姿が。三角点はちょっとわかりにくいところにあります。

 

山頂からは奈良盆地が一望できます。

 

あちこちにある「恋人の聖地」がここにもあります。

 

下山は藤井ルートのトレイルで。

 

結構な急階段を一気に降りて行きます。

 

途中にあった八幡(はちまん)神社に寄り道。

 

遠くに信貴山を眺めながら、大和川を渡り

 

龍田古道に入ります。その昔は伊勢神宮に向かう参拝道だったそうです。

 

坂練とばかりに、勾配のある坂道を登ると

 

峠八幡神社があります。

 

そこを下ると、こんな円筒形の貯水槽みたいなものがあちこちに。これは後で地すべり資料室で説明を受けた、地下水を集める「集水井」のひとつだとか。

 

先ほど登って下りた明神山を望む場所に、この日の目的地である地すべり資料室の施設が見えてきました。

 

今年の4月にリニューアルされたばかりなので、外観もオシャレで新しい。

 

受付の横には、実際に電車が走る亀の瀬地区のジオラマがあり

 

お土産売り場には、「亀の甲羅」とシャレで名付けられたコーラ飲料とか

 

地元の和歌を集めた「龍田百人一首」や「大丈夫煎餅」なるものも売られていました。

 

ここは民間の施設ではなく、れっきとした国土交通省近畿地方整備局の施設ですけど。

 

9:50過ぎ、地元のボランティアガイドさんによる、ガイドツアーが始まりました。最初は大和川水系の説明。150以上もの支流が集まるこの地区は、昔から地すべりの発生しやすい地形だったそうです。

 

昭和初期の大規模地すべりの様子から、1,500万㎡に及ぶ大規模災害の歴史と周辺地域への影響

 

そして、昭和35年(1960年)の建設省当時から国土交通省の現在に至るまで、膨大な費用が投じられた地すべり対策の内容の説明がありました。

 

展示室から外に出て、1号排水トンネルに向かいます。よく見ると、入り口が亀の形に彫られています。この頃から雨がポツポツし始めました。

 

中に入るとヒンヤリ。年間を通して15℃〜20℃だそうです。Tシャツ短パンでは寒いくらい。

 

壁の一部がくり抜かれ、地すべりの原因となった地層の説明がありました。固い花崗岩の上に粘土層があり、その上に溶岩が積み重なっているので、粘土層に水が溜まり、上の地層が地殻変動などで移動するためだそうです。

 

地上に一部顔をを出していた集水井の内部です。

 

地下水がボタボタ落ちていて、傘がないとけっこう濡れます。

 

トンネルを出て、大和川の沿岸に出てみると、「亀の瀬」の名前の由来となった亀岩があります。

(水位が上がって、頭が隠れてカメには見えませんが)

 

遠くに目をやると、JR大和路線の第四大和川橋梁が見えます。白いトラス橋に支えられた上を、斜めに線路の鉄橋が乗っている珍しい形をしているので、「土木遺産」にも選ばれていて、鉄オタにも人気があるそうです。

 

少し戻って、亀の瀬トンネルに向かいます。この頃には雨足が強くなってきました。

 

正式には「旧大阪鉄道亀瀬隧道」というこのトンネルは、明治時代に造られましたが、地すべりで埋まってしまい、平成時代の地すべり対策工事で偶然発掘されたそうです。

 

内部の壁はコンクリートで補強されていますが

 

奥には建設当時のレンガが残っています。「イギリス積み」と呼ばれる、レンガの長辺と短辺を一段づつ交互に積み重ねる工法で造られています。トンネルの上の方は、汽車の煙で燻されて黒くなっていました。

 

トンネルの突き当たりは、土砂が堆積して塞がれています。

 

ガイドツアーの最後は、お待ちかねのプロジェクションマッピングの上映です。実は今回参加した8人のうち3人は以前にもこのツアーに参加したことがあり、なかなか凝った内容だと聞いていました。

 

その言葉通り、予想以上の映像が次々と映し出され、10分近く続いたプロジェクションマッピングはとても見応えがありました。

(その一部を紹介しますが、実際はこの何十倍も素晴らしいものです)

 

約90分のガイドツアーはこれで終了。終わってトンネルを出る頃には、雨が上がっていました。

 

地すべり資料室を出た後は、龍田古道を西へ。先ほど見えた第四大和川橋梁の橋桁の下を潜ると、「土木遺産」の認定プレートがちゃんとありました。

 

龍田古道には昔ながらの遺跡も所々に残っていて、これは青谷遺跡と呼ばれる離宮跡。その昔、平城宮と難波宮を結ぶ行幸路の休憩地だったそうです。

 

途中にある大和川に架かる鉄橋(?)を渡ります。なんでも昔ここには渡し船があったそうです。

 

幅が狭くて、結構揺れてスリルがあります。高所恐怖症の人は絶対無理でしょうね。

 

国分神社にもお参り。

 

裏山に古墳があるというので、登ってみました。松岳山(まつおかやま)と呼ばれる前方後円墳で、石室もちゃんと残っています。

 

近鉄河内国分駅の近くでちょっと寄り道。最近設置されたというガンダムマンホールをチェック。これはドムというキャラクターと亀瀬隧道がデザインされています。

 

もう一度大和川を渡って、ちょっとお腹も空いてきたので、「たことら」というたこ焼き屋さんへ。

 

前もって連絡していたので、着いてすぐにたこ焼きができていました。もちろんアツアツをビールで流し込みます。

 

新築された柏原市役所には「かしわらテラス」と名付けられたフォトスポットがありました。

 

その近くには、地元の名産ぶどうのカラーマンホールがあります。赤紫のデラウェアのカラーマンホールは市内にいくつもありますが、(ジモティ曰く)緑のシャインマスカットのデザインはここだけだとか。

 

JR柏原駅近くには、もう一つのガンダムマンホールがあります。これはもちろんブドウとガンダムのデザイン。

 

これでこの日のミッションはすべてコンプリートしたので、14:00前に解散。私とやまもっさんは、汗を流すために近くにある銭湯「中央温泉」へ。きれいに改装された銭湯でサッパリした後は、コンビニビールで打ち上がりました。

 

なかなか足を運ぶことも少ない柏原市にも、いろいろ知らない場所があるのを再発見したマラニックの1日でした。「亀の瀬地すべり歴史資料室」のガイドツアーはホントおすすめですよ。