晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

晴走雨読な日々〜Days of Run & Books〜

晴れた日は山に登り街を走り、 雨の日は好きな音楽を聞きながら本を読む
そんな暮らしがいい!

6月12日水曜日。名古屋市役所の本庁舎を見学した後、

(その模様はこちら↓)

 

 

 

歩いて5分ほどのところにある、名古屋市市政資料館に向かいました。明治から大正にかけて多く建てられた、赤いレンガと白い花崗岩を組み合わせたネオ・バロック様式と、アール・デコ調が追加された外観が特徴です。

 

ドラマでは東京地方裁判所として使われましたが、実際に名古屋控訴院(高等裁判所)として建てられたものです。当時の裁判所で現存する最古の建物ということで、昭和になって外観や内部の一部が重要文化財の指定を受けています。

 

入り口を入ると

 

朝ドラを観ていた人には記憶に新しい、大理石で造られた中央階段が現れます。

(ドラマの影響で、平日でも見学者が引きも切らず多かったので、人が切れたタイミングでパチリ)

 

斜め上から見るとこんな感じです。

 

正面のステンドグラスには、よく見ると天秤が描かれています。罪と罰はつり合うという裁判所の象徴として描かれているそうです。

 

天井を見上げると、ここにもステンドグラスが。これは日輪(太陽)をモチーフに、公明正大な裁判を表現しているものだとか。

 

回廊に沿って館内をぐるっと回ってみます。これは復原された陪審法廷。

 

こちらは現行憲法の下での法廷を復原したもの。

 

そして、こちらは明治憲法下での法廷を復原したもの。ドラマでお馴染みになった、戦前の法服と法冠が展示されています。

 

重文指定を機に創建時の内装で復原された会議室。肘掛け椅子や段通の素材も当時のものを忠実に再現したそうです。

 

館内の事務室の横には、「虎に翼」の出演者のサインが並べられていました。

 

これは猪爪寅子を演じる伊藤沙莉さんのサイン。自筆の似顔絵と「はて?」のセリフが可愛い!

 

桂場等一郎を演じている松山ケンイチさんのサイン。よく分かりません(笑)。

 

穂高先生役の小林薫さんのサイン。これは良く分かります。

 

花岡悟役の岩田剛典さんのサイン。

 

館内の5ヶ所でスタンプラリーができると案内があったので、それを元に再び回ってみました。

 

そのひとつ。2005年に開催された愛知万博で藤井フミヤさんが作った灯籠が館内の一角に。

 

これは一階にある留置場。裁判所の中なので、刑罰を執行するための場所ではなく、裁判が終わるまでの仮留置場所として使われたそうです。

 

その横にあった雑居房の部屋。実際には倉庫として使われていたものを、当時の様子を伝えるために改装したそうです。

 

5ヶ所のスタンプをコンプリートすると

 

こんな4枚の絵葉書セットが貰えました。

 

館内を1時間ほどウロウロした後は、明治村へ向かいました。(その模様は、その1へ)

 

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6月22日土曜日に、再び市政資料館へ。

 

というのも、その前に名古屋市の主催で市役所と市政資料館のロケ地を無料で案内するイベントがあって申し込んだのですが、さすがに人気の企画だけあって全国から申し込みが殺到して抽選に外れてしまったのです。

 

仕方がないので他に似たような企画はないかと検索したら、「大ナゴヤツアーズ」というイベント団体が有料で市政資料館を案内するイベントを見つけて即申し込んだのです。それがこの日でした。

 

朝10時、集合場所の名古屋市役所前に集まった参加者は私を含めて19人。建築史家の村瀬さんの案内で、今回は建築造形にテーマを絞って解説してもらえるそうです。

 

土曜日は市役所は閉庁しているので、外観だけ説明がありました。この建物も重要文化財に指定されています。(写真は七宝焼で作られた指定プレート)

 

和洋折衷のこの建物で、特徴的なのがこの中層階のタイル。もともと製陶産業が盛んな地元を盛り上げるために発注したものだとか。注目すべきは建物の角のアール(曲線)がかかったタイル。まっすぐなタイルより、技術的にも費用的にも手間がかかっているそうです。

 

歩いて市政資料館に移動。館内のスタッフの紹介があり、今回は普段は入れない場所にも入れてもらえるそうなので、楽しみです。

 

村瀬さんから、まずは外観の説明。正面玄関の上に金色に輝くのは、神鏡と神剣を組み合わせた紋章で、人を裁くという厳粛なことが行われる神聖な場所を表すものだとか。そして、その上の丸く空いたスペースには建設当時に菊御紋があったそうです。

 

村瀬さん曰く、当時流行りだったドイツ古典主義の影響でレンガは剥き出しで、いわゆる”ドイツ積み”の積み重ね方だそうです。

 

現在の建物の外に使われている、一見レンガに見えるのは実はタイル。これはレンガだと耐震性がないために改装されたものだとか。(関東大震災でレンガ造りの建物がほぼ倒壊したため、以後使われなくなったというエピソードも)

 

中に入って、普段は入れない中庭に入れてもらえました。ここは建てられた当時のレンガが残っている貴重な場所です。

 

窓が縦長で、上がカーブしているのも、レンガの重みに耐えるための構造だそうです。

 

ふと振り返ると、特徴のあるドーム屋根がよく見えて、参加者から「オーッ!」と歓声があがりました。(残念ながら、ドームには入れませんでした)

 

前回訪問した時には入れなかった雑居房の中にも入牢体験?

 

建物の中央にある中庭にも入りました。ここは正面階段の奥にあったステンドガラスの明かり取りのために作られたとか。左の雲が写っている窓がそのステンドガラスがある場所です。

 

中央階段まで戻ります。ドラマの懐かしい場面のパネル展示がありました。

 

普段は立ち入り禁止の、3階のベランダにも出てみました。こちらには耐震のために後から追加された出っ張りの支えが造られています。

 

スタッフの案内で、30年間使われなかったという”秘密の部屋”(検事室)へ。

 

今は会議室となっていますが、造られた当時は壁に描かれた和風の漆喰画が不興を買って入室禁止になったというエピソードが紹介されました。

 

約2時間のツアーはこれで終了。私自身は2度目の訪問でしたが、新しいことも知ることができて面白かったです。その後、他の参加者はそれぞれ館内を見学していましたが、私は見学済みなので退出しました。

 

お腹が空いたので、資料館のすぐ近くで見つけた、これもレトロな外観の「山田屋」さんへ。

 

店内はザ・昭和という雰囲気があり、取材したTVのサイン色紙などがありました。

 

頼んだのは、天ころきしめん。”ころ”というのは冷たいという意味で、要はエビ天トッピングの冷やしきしめんです。懐かしい出汁の味で美味しかった。

 

とりあえず、名古屋地区の「虎に翼」聖地巡礼はこれでひとまず終了。機会があれば、関東地区など他のロケ地も訪れてみたいと思っています。