今日の のりコレは、今週の水曜日から名古屋市美術館ではじまりました展覧会
【モネ それからの100年】をご紹介しました。

モネといえば、印象派の画家としてとても人気がありますよね。
今回のこの展覧会は、「モネ、それからの100年」とタイトルにもあるように、
実は、モネって、印象派の画家としてその時代にとどまるだけでなく、
現代へと続く 芸術の生みの親とも言われているんです。

ですから、今回の展覧会は、モネの作品と現代美術の作品を比較しながら、見ることができて、
「モネの中にみる新しさ」、「現代作家の作品からみるモネらしさ」も
感じてもらえる展覧会となっています。

 

 

今回お話しを伺ったのは、名古屋市美術館の副館長 深谷克典(かつのり)さんです。
深谷さんは、今回を含め、モネ展を4回も手がけてきたエキスパート、
こんなにモネに携わった人は、日本には他にいないのではないかと言われています。
もちろん、図録の執筆もされています。

その深谷副館長のお話し、大変興味深いんです。
今回の展覧会の「ここに注目!!!」というポイントなど を伺うと・・・・。

 

 

モネの晩年の作品は 現代作家に与えた影響は大きく、
例えば、「睡蓮、水草の反映」の絵、これは「中心」がないのですが、
中心がないことは、額縁の中に絵を描いていた感覚から、解き放たれ、
絵の外にまで広がる無限の世界を 表現することになる。

中心がないので、どこを切り取っても絵になる。


中心がない絵を描くようになったのは、一つは 睡蓮を描くようになったからではないかとのこと。
水面を描くということは、平板な水の表面を描く、高さや奥行きがない。
それを見ているうちに、池の断片を切り取って描くということになり、
それが「中心がなく、どんどん外に広がるような絵」を描くということにつながったのでは?と。

 

キーになる絵は、亡くなる前年に描いた「バラの小道の家」 。非常に抽象的です。
このような抽象的な表現は、斬新すぎて当時は評価を下げていたが、戦後、この新しさが認められはじめ、
巨匠だったモネのリバイバルのブームが始まる。
現代では、モネ、ゴッホ、ルノワールと、世界の中でも好きな作家に上げられています。

彼は、決して新しいことをしようと思ってやったわけでなく、
自然から得たものを絵を通じてこの感覚(風 温度、色合いなど)をなんとか表現しようとしていたら
どんどん未知の分野に向かっていったのではないか、、、ということなんです。

 

 

面白そうでしょ~~。

「モネ それからの100年」は、名古屋 伏見の名古屋市美術館で、
7月1日(日)まで開催中です。
観覧料は、大人 1400円、高校生大学生は 1000円 中学生以下は無料です。
モネの作品だけでなく、現代美術の面白さにも気づく展覧会となりそうですよ。

ぜひ、お出かけください。