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楽気!DAY の 青山が 今 気になるモノを紹介するコーナー「 のりコレ 」

今日は、この時期の名古屋の和菓子を代表する風物詩  【 美濃忠 初かつを 】 です。

ちょうど 先日の2月10日から発売になって、5月25日までの 春を彩る和菓子 なんです。

和菓子に お魚の名前って なかなか珍しいんですが、羊羹の断面をみていただくと、
柵にきったお魚のような縞模様。色は淡いピンク色で 美しい~~!!

 

  

 

今回、美濃忠さんで、60年以上も製造に携わり、現在は製造部の顧問を
務めていらっしゃる 村瀬秀夫さんにお話を伺うことができました。

「 春先 何かいい商品はないかと探していたところ、糸を2重にして切ったら 
 魚のような縞模様がでて、これは面白い。
だから 春先に親しまれているかつをの名前を付けたのではないか・・・。」 とのこと。

昔の職人さんたちの遊び心が 季節感を表す「かつを」となって、粋ですよね。
やわらかいんだけど、弾力もあって、上品な甘さ・・・。
お茶席でも人気なのがわかります。

 

美濃忠 代表取締役専務 伊藤祐司(ひろし)さん と 製造部顧問 村瀬秀夫さん

 

 

この初かつをは、米粉と葛と小麦粉を使って 蒸し上げてつくる 蒸し羊羹です。
「 やわらかい 」 ということは、水分量が多いので、米粉が沈殿しないように葛を入れて、
(沈殿しないような)絶妙な濃度にして作られています。
また 葛をいれることで非常に口当たりもよくなるのです。

レシピは 昔と大きくはかわっていませんが、原材料の質が 向上していますので、
その分 バランスを少し変える部分はあるようです。
また繊細なお菓子ですので、気温によって毎日 配合は 少しずつ変えて、
バランスをとっているそうです。(3時間蒸し上げて作るそうです。)

 

 

この初かつをは、美濃忠さんの 創業 安政元年1854年から 作り続けている 代表的な蒸し羊羹です。
もう一つ、こしあんを蒸して作る「上がり羊羹」も同時に人気の商品なんですが、
この二つの羊羹は、実は、もっとその前から受け継いだものなんです。

美濃忠の 代表取締役専務 伊藤祐司(ひろし)さんに 伺うと、、、
「 名古屋城を作るときに 徳川さんと 一緒に駿河から来たのが、初代が奉公していた桔梗屋 
  そこの代表的な上がり羊羹 と 初かつを を 桔梗屋からいただいたのが 初代の伊藤忠兵衛 」とのこと。

もともと 美濃忠さんの初代が ご奉公していた 桔梗屋さんというのは、
尾張徳川家の筆頭菓子屋さんだったそうで、、、。
両口屋是清さんとともに 筆頭菓子屋さんで 双璧をなしていました。

その桔梗屋さんがのちに廃業されますが、そこから受け継いで、
現在も 作り続けているお菓子屋さんの一つが 美濃忠さんなんだそうです。

それにしても、徳川のお殿様も喜ばれたであろうお菓子が、
今も口にできる・・・というのは、なんだかロマンを感じますね~。

  

 

 

この 初かつをは、丸の内の美濃忠本店さんはじめ、直営店3店舗と
名古屋のすべてのデパート6か所に入っていますので、
ぜひ お手に取ってみてくださいね。

毎年、この時期を楽しみにされているお客様も多いようです。
初かつを 一棹 2376円
今年は、試験的に 半分のサイズの販売も始められています。

    

丸の内 美濃忠本店          一歩はいるとこんな感じ・・・      外観