国木田独歩、と言えば『武蔵野』。
武蔵野、と言えば雑木林。
じゃあ雑木林って、なんだろう。
国語辞典で引いて、驚いた。
雑木林 ぞうきばやし 「種々雑木が混じって生えている林」とある。
ネット上には「高価な木材を得るのには役に立たない林」という説明もあった。
じゃあ、雑木ってなんだ。
雑木 ざつぼく、ぞうぼく 「良材とならない種々雑多の樹木。薪材などにする木」
その昔、「雑草という名の草はない」とさる高貴なかたがのたもうたとか。
まぁお気取り遊ばせて、などチャチャの一つも入れたくなったが、
「雑木」を解説した国語学者には、同じ台詞を投げつけたくなった。
「雑木という名の木も、雑多の樹木と十把一絡げにされていい木も、ありません」
など気取りつつ、実際には樹木の名前も草花の名前もさっぱり覚えられない。
それでも「雑木林」にはこだわりたい。
武蔵野の各地で雑木林はすこぶるシンボリックな存在になっている。
ちなみに新座の平林寺境内に広がる雑木林は
「武蔵野の風情を広くとどめる貴重な文化財として、国指定天然記念物に指定され」(平林寺HP)ている。雑木林としては国内唯一の指定だそうだ。
ちなみに末弟きいろは武蔵野台地の最果てで何やらほくそ笑んでいるが、
笠取山から流れ下ってきた多摩川がその勢いで扇状地を形成する入口は
深くて広い渓谷美こそ誇っても、雑木林をつくるのは難しい。
雑木林は奥が深い。

