そうそう、この前奏だ…
個人的に、羽生選手のプログラムの中で、すごく特別感のある前奏なのです。
演奏者の方の指が鍵盤を押さえるたびに、自分がゆったりと浮いて行くかのような気持ちになります。
全体的に、サラさんの声も楽器の音も、童話の世界を思わせる不思議な音楽だと思います。
さて、羽生選手の演技動画の「When life is but a dream / Still I try 〜 」のところ、本当に印象的でしたね!
また羽生選手が私の上を通過して行きましたよ(違)
今回もノールックですよね?
よくカメラにぶつからないものです!
自身のチャンネルで正確な滑りを提示することが、GIFTの演出について様々な可能性を想像させるのだろうな…と思います。
そして、作品世界の中でも、とても大事な場面なのだろうと思ったのでした。
歌詞の「dream」のところで、見る者と対峙しつつ、羽生選手が遠ざかって行きます。
サラさんのどこまでも伸びるような歌声とともに、手をこちらに差し伸べて、羽生選手の背も伸びます。いや、開脚して滑っていたのを、徐々に脚を閉じて行きます。
音によく合った、スーッとした存在感。
そして「Still I try 」。
今回も、足元で、全身で歌っています!
前方に駆け出して、LFOスリーでしょうか。羽ばたくようにターン。その後、氷の上を鳥が飛び回るような滑りが続きます。
英語がよく分からないのに恐縮ですが、このあたりの歌詞は、
「人生が夢でしかなかったら」ではなく、「人生は、心に描くもののための鍵」と宣言して行くところなのでしょうか。
「心の中にあるものを、確かな生の証として、ずっと大切にする」という誓いのように感じられます。
心の中のものを大切にすることは逃避なのではないかと葛藤したけれど、
これが自分にとっての真理なのだ…
という情景を、このあたりの羽生選手の演技と、映像編集から感じました。
宮本賢二先生にも感謝です。