2012年11月23日。

まだ、羽生さんのお名前に、振り仮名がつけられていた報道が多かった頃。

私の中で、羽生さんが、「注目すべき素晴らしい選手の中の1人」から、

「特別な選手」に変わった日です。

あれから10年近く経つんだなあ。

 

「パリの散歩道」、初見ではなかったのに、

「何だこれはーーー!!!???」と、大きな衝撃を受けました。

身体の中を風が吹き抜けていったような感覚でした。

 

今、その時の感覚を言葉にすると、こんな感じでしょうか・・・

4Tの美しさにやられました。4回転ジャンプを跳ぶことそのものだけではなく、いかに美しく跳ぶかを目指しているのだなあ。

BOカウンター3Aに磨きがかかり、音の表現の面でも、プログラム世界の表現としても、何と素敵なことか!

3Lz3Tも、音の表現として何と素晴らしいことでしょう!

スピン巧い。めっちゃ巧い。羽生選手のバタフライは蝶々ではなく、鷹や鷲だ!

ステップシークエンスがカッコ良すぎる。ブルースの中抜きの表現が多彩で楽しい!

 

 

そして、本当に個人的な受け取り方なのですが、

「忘れていた大切なものを思い出して」と、羽生選手に言われた気がしました。

 

羽生選手本人には、そのような意図は無かったでしょう。

不思議ですね。

 

でも、なぜか、パリの散歩道以外にも、羽生選手のプログラムの中のいくつかから、

「忘れていたものを大切にして」というメッセージを受け取ってしまうのです。

 

近年では、Let Me Entertain You からは、「人間の温かさを思い出せ!コミュニケーションを諦めるな!」でした。

(さらに個人的すぎる受け取り方ですが、「シングルも見てよね!前はもっと見てたでしょ?」と言われた気がしました。)

Real Face には、「いろいろなフィギュアスケートの演技が与えてくれた貴重なものを、忘れてしまうの?」と気づかせてもらいました。

 

どうしてこのようなメッセージを勝手に受信してしまうのか、自分でもよく分からないのですが・・・

 

でも、様々なものに支えられて自分が在ることを、この10年の間、立ち止まって意識させてくれました。

 

決意表明会見からしばらく経ちますが、羽生さんの本格的な門出は、今日なのかもしれませんね。

大切なものに気付かせ続けてくれた羽生さんに、心からの感謝を込めて、今後のご活躍をお祈りします。

「プロローグ」成功しますように。

そして、心身ともに健康でいて下さい。