テレビ東京スポーツさん

#9『町田樹 × 田中刑事 - Je te veux - 同時再生』について、

感覚的なことばかりになると思いますが、少しだけ感想を書きます。

 

 

2人の演技を比較してみると、町田さんは、プログラムの主人公に起きた事象を描くことを通して、他の何かを描きたかったように見えました。

 

2014年当時は、このように感じなかったのになあ・・・

もちろん、観る立場の私の方にも、受け取り方の違いを生んだ理由があると思います。

でも、「継承」と比較によって従来とは違うものが見えてきたのだとしたら、「継承プロジェクト」って凄いですね!

 

様々なものを取捨選択して削ぎ落としたり、

主人公の心情を濾過してできた透き通ったものだけを、観る者に提示したりするかのようだと思いました。

概念に近いのかもしれない。

 

 

一方、刑事選手。

 

カフェでショートムービーを見るような・・・というようなことを、2014年当時、町田さんがおっしゃっていたと思うのですが(文言が異なるかもしれません。ごめんなさい)、

もしも刑事選手の演技がカフェで流れていたら、現実の世界に戻るのにすごく時間が掛かりそうです。

プログラムの主人公の内面が溢れ出すように見えるからです。

 

人物を描くことそのものが主題のように思えて、作品中の人物との心の距離感を測りかねる・・・とても近くなってしまいます。

 

ラストシーンのピボットですが、主人公の内面を円の中にゆっくりと封じて行くように見えるのは町田さんも刑事さんも同じでした。

しかし、町田さんの方は、封じた心が、いつかどこかにつながっていく気がしました。

(これも、2014年当時とは違う感じ方でした)

一方、刑事選手は、自分独りでこの思いとずっと向き合っていく・・・というように感じられました。

 

第一印象はこのような感じでした♪

今後、細やかなところまで味わってみたいなあ。

 

町田さん、刑事選手、お疲れ様でした!

 

 

(以前も記したのですが、コンパルソリーダンスやパターンダンスパートに通じる楽しみがあると思いました。町田さんの研究の趣旨から離れた感想で申し訳ありませんが、「継承プロジェクト」、いろいろな楽しみ方ができてありがたいです!)