横浜で暮らした頃の旧いアルバムを手元に寄せた
深夜、ページをめくり、
1枚のスナップに目が留まった
仄暗い狭い路地をカノジョと抜けた、
懐かしい記憶
あの娘は、今でもまだ元気だろうか


中華街もいつからか、流行りを受けて、
定額食べ放題の店が増えてきた
競争が拍車をかけ、出されるモノの質が落ちた
そう、知人が言ってた
味にうるさい彼は、もうしばらくは足が向かなくなったそうだ

路地商売の甘栗売り
風俗まがいのキャッチ誘導
やたら増えた占いの店
そして、
塵1つ落ちていない完全アスファルト舗装の道
随分変わったらしい、30年前とは

おじさん、おばさんが自転車にまたがり、普通に行き交う生活感があの頃はあった
路地の隅では子供が剣の舞の手ほどきを老人から受け、龍や麒麟を模した着ぐるみに針を通す婦人たちがいた
日差しのもとで、上半身裸の男女が雀卓を囲む風景もあった
そう言えば、
台湾料理を食べさせる小ぢんまりした店が並ぶ小路があったっけ
台南小路
そんな、名前をだった
見上げると国旗が幾つも両側の壁を伝って張り巡らしてあるんだった
紹興酒にたっぷりザラメ浸して飲むこと知ったんだよ、ここで
今でも残ってるかな、あの店…………