この漫画は、僕が高校生の時に、
平日ゴールデンタイムの特番でアニメ化され、テレビ放映された。
水原勇気シリーズの後の、メッツ選手個人個人にスポットライトを当てた一話完結(時に前後編)だったように思う。
「北のー」は、数多くのエピソードの中でも、特に強く印象が残った。
なのに、後年、思い出すことも、ましてや人に話すこともなかった。
しかし、サイレント▪トークの歌詞をたどっていたら、それに付随するかのように、この作品の記憶がよみがえった。
おそらく、同じ時期に見聞きしたものかもしれない。
このアニメ作品のエンディングテーマも、水木一郎の哀切たる歌唱で僕の脳裏に焼き付いていた。

*歌詞は、最後にフルで転記しますね
東京メッツのエースピッチャー火浦健には、暗い過去があった。
任侠道に生きる父親の仇討ちをしたために、警察に囚われの身となり、高校野球の世界から消えた。
そして、日陰の人生を送る日々が続く。
数年後、定食屋のつけっぱなしテレビで、かつてのライバルで甲子園の英雄・王島大介の華々しいプレーを見る。
大介は、阪神タイガースに期待を込めて迎え入れられた新人スラッガー。
健は、衝撃を受け、再起を期す。
メッツに入団した健は、ある日加代という老いた女性と知り合う。
実は、加代は幼い頃いなくなった健の母親だった。
更に意外な事実が告げられる。
健と王島大介は、まだ赤ん坊だった頃に火災に遭い、母に捨てられ生き別れとなっていた双子の兄弟だったのだ。
健は、任侠の父に拾われたのだった。
真実を知った健は兄弟対決の末に、リーグ優勝し新人王を獲得する。
そして、加代を「かあさん」と呼ぶ。
弟の大介と彼を育てた善意な養父母らの微笑ましい姿を、二人は遠くから見つめる。
「よう、弟。
 来季も良いライバルで戦おうな………」
健は、そう心の中で呟く。

泣かせるエンディング。
こうして文字を打ち込んでいる今も、胸が熱くなる。
目頭に込み上げてくるものを感じる。



唄) 水木“アニキ”一郎

男は誰も ヒーローだから
泥にまみれて 耐えるのさ
明日をめざす 俺達に
やさしい奴は 風ばかり
素振り1000回 腕が折れても
死ぬまでバカに なってみろ
街の小さな グランドに
今日も聞こえる 野球狂の詩

男は誰も 心の底に
秘めているのさ エピソード
暗いベンチの 片隅に
涙の河が 流れてる
たったひとりの 天使のように
俺を見ている おふくろが
耳をすませば どこからか
今日も聞こえる 野球狂の詩

たったひとりの 天使のように
俺を見ている おふくろが
耳をすませば どこからか
今日も聞こえる 野球狂の詩