朝飯、もう食った?
Ken だけど。
天気が回復してきてるみたいだから、
本牧経由で八景まで出かけないか?
クルマ、出してくれると助かる。
いいかい?
ちょとイカス定食屋とサ店、見つけた。
たまには、おごらせろよ。
いつも俺の与太話に付き合ってもらいっ放しだから。
じゃあ、13:00に新山下のアノ場所で待ってるから…………

未熟な頃の想い出だよ。
一番長く続いた彼女とは、文学を多く語り合った。
ある日、俺の前に彼女とは別の新しい女が現れた。
気持ちを持ってかれそうになった。
そのことを伝えると、「それでも構わないから」と、俺のわがままを通してくれた。
その後、文学彼女と逢う時は、新しい女のことには一切触れなかった。
最期の晩になったのは、
俺が新しいその女とケンカ別れし、この文学彼女と真剣にやり直しをしよう、と伝えるためにセットしたデートだった。
「あの娘と別れた。
キミだけ、いればいいんだから」
「私のために彼女を捨てたのね?」
「そうだ。キミのためだから。」
「………別れてくれと頼んだ?
私は女を捨てる男が大っ嫌い。
だから、あなたを許さない。」
そう言い捨てて目の前から消え去り、
2度と会うことはなくなった。
ひどく心が沈んだ記憶がある。
女ごころ、という得体の分からんヤツ。
そいつを意識した最初だ。