「姿三四郎」富田常雄 | のちゃのストーリーストーリー

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創作小説と書評
サブカル全般を気ままに語る

中学生ぐらいに読んだと思うが、もうすっかり忘れてしまってる。昔はテレビドラマでも柔道ものよくやっていたが、そういうご時世でもないのか。アクションドラマとしての柔道ものは、とうの昔カンフーアクションに駆逐されてしまった。
読んでみて思ったが、昔読んだ記憶は間違いないが、最後まで読み切ってはいなかったのだろう。長い話だが、後半グダグダになって到達点のわからない物語だった。きっと途中で投げ出したのに違いない。モデルとなった西郷四郎が、一個の人格者、柔道家として大成できなかったという背景もある。彼の大陸への夢は満たされたとは思えない。
青春ものとして読んでも、今ではかなり古臭い。悲恋の展開も唐突でありきたり。格闘場面も今一歩か。だが、古典中の古典である、という意味では何も文句のつけようはない、ということである。