●キャッチーなタイトルとは裏腹に骨太な文化史ともいえる1冊。
本書を読み終えたとき、私は読書の楽しみを取り戻せたのだと気づく。
私にとって未知ゆえの脅威であった「歴史」という分野のノイズを大いに盛り込んだ本書を。
●著者は最終章で、「働いていても本が読める」社会をつくるにはどうすればよいのかという問いに、一つの結論を提示する。
それは一見夢物語のようにも思えるが、同時にそんな邪推を打ち消すほどの切実さと説得力があった。
●日々忙殺されていると、心の余裕がどんどんなくなってくる。
全てをすっ飛ばし、今すぐ使える答えを教えてくれる自己啓発書やインターネットの情報に癒やされたことのある社会人は、きっと私だけではないだろう。
●本書を読み終えたとき、私は読書の楽しみを取り戻せたのだと気づく。