幸せとは「線」ではなく「点」にあるということです。
ミニマルに生きれば、
幸せを感じやすくなる
究極のミニマルライフは、バックパック1つで何日も山を歩き続ける登山だと、四角さんは語る。
──ミニマルな生き方を実践できれば、幸せになれるのでしょうか?
戦略的にその生き方を実践できれば、確実に幸せになれます。でも、その前に知っておいてほしいのは、幸せとは「線」ではなく「点」にあるということです。
──というと?
学校嫌いだった僕は小学生の時に生きづらさを感じていました。最初は、楽しい時間をできる限り長く持とうと試みましたが、学校で過ごす時間が大半を占める生活では、どうがんばっても「長さ=線」ではかなわない。
ない知恵を絞って出した解決策が、「生きていてもっとも感動する瞬間=点」をなるべく多くつくること。「感動の瞬間」は持続します。思い出すたび、時間の概念を超えて感動にひたれますから。
──言われてみれば、確かにそうですね。
そして、この「後で感動にひたれる瞬間」を“人生で何回持てるか”が人生の幸福度を決めるのです。だからその瞬間の「感動度合い」を最大化させて、その「回数」を最大化するにはどうすればいいかと考え抜くことが大切であり、そのための人生戦略がミニマル・ライフなのです。
でも、今の日本では、ほとんどの人が「人生でもっとも感動する瞬間」を把握しないまま生きてしまっています。それは“不要物=ノイズ”が多すぎて、まともに「内なるポジティブな衝動」、つまり自分自身に向き合えていないからだと思います。
ノイズを削ぎ落として、ミニマルな生き方を実践していくうちに、自分にとって「本当に大切なこと」に気づけるようになる。それを知らずに生きていると、物欲や競走欲を満たすことが幸せだと勘違いして「自分じゃなくなってしまう」のです。
そんな状況から抜け出すべく、「最高の瞬間」だけにフォーカスして、余計な物事を削ぎ落として欲しいんです。
幸せは“増やす”先ではなく、“減らす”先にしかありません。