
今この映画が観たい。「トーク・トゥ・ミー」
●終わった後にニコニコみんなで話せるのが『TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー』の良いところ。
●観る前は、監督のフィリッポウ兄弟がYouTuberだと聞いて『どんなクオリティなんだ?』と少し不安。でも実際に観てみると、A24が惚れ込んだ理由がよくわかる。
●正統派のホラーだったので、それはうれしい誤算。
●映像表現の安定感もさることながら、とにかく伏線の張り方が秀逸。
●王道の展開にあえて捻りを効かせることで、思っていた方向と全然違う方へ連れていってくれる。すごく新鮮なホラー映画を作る人たちが現れた。
●ホラーは苦手だが、都市伝説やおまじないのようなオカルトものがすごく好きな人向け。いくつも謎が散りばめられていて、『なんでここでこうなった?』みたいな展開に引き込まれる。なので、ジャンプスケアのホラーが苦手という人でも、謎解き感覚で楽しんで観られる。
●逆にホラーファンとしては、見た目が怖い幽霊が出てきてくれたのがうれしかった。彼らがいる“あちら側”と主人公たちの“こちら側”の違いが徐々に明かされていく筋書きも興味が尽きない。フィリッポウ兄弟のYouTubeチャンネル『RackaRacka』の悪ノリからは想像できないくらい真面目に作り込まれていて、ちゃんと怖い映画。
●オーストラリアの若者とリアルに接する機会はなかなかないが、孤独を抱えた人がなにかにのめり込んだり取り憑かれていくところは、万国共通の若者心理を捉えている。
●周りに乗っかれていないからこそ孤独を感じる。そこに共感が集まってのヒットはすごくわかる。友だちがいない孤独よりも大人数でいる時の孤独の方が刺さる、“ここじゃない”という感覚が、いまの時代にマッチしている。
●アリ・アスターの映画はもっと内面にこもった感じで、まるで自己セラピーに付き合っているような印象を受けるが、フィリッポウ兄弟はすごくあっけらかんとしてジメジメしていないので、もっと外に向けられていることがよくわかる。彼らがどんな映画を作ったとしても、安心して観られる。
●あとスティーヴン・キングやサム・ライミ、ピーター・ジャクソンのようなホラー界隈の重鎮的な人たちも褒めていた、スティーブン・スピルバーグも絶賛した。
益々この映画が観たくなる。