
「自分で持つことが大変な大きく重い荷物を、誰かに預けようと頼ることができるかどうか」
周りに誰かの手があるのだと気づくこと。それだけが、自分自身を魔物から救い出す方法なのかもしれません。
こちらの記事から抜粋させていただきました。
記事では映画「TAR/ター」「ザ・ホエール」の主人公たちを自己の魔物に囚われた人物たちと捉えていました。
二人の生き方に差はあれど、ともに言えるのは自己という魔物に見入られてしまっているということです。世界には自分だけではなく、他者の存在がある。そんな単純な摂理を忘れてしまっています。優秀、天才、絶望、孤独。ターとチャーリーがそこにいたるまでの理由は一様には言えませんが、閉じた世界で己だけをみつめていると、いわば怪物のようになってしまうのではないでしょうか。そして、二人に名状しがたい思いを抱く私もまた、近しい存在なのだと思います。
そこから抜け出すためには、他者の存在を受け入れ自分自身で背負いきれない重荷を頼ることではないかと。
他者と心を通わせること。
それだけが自分自身を開放できる唯一無二の方法なのかもしれません。