
人が指をさして「これが幸せだ」と言えるものが、この世に、あるでしょうか?
AさんとBさんにとって「幸せ」なことでも、Cさんにとっては、「幸せではない」かもしれません。
100%すべての人が、絶対的な価値を持って「これが幸せだ」と思えることは、地球上には存在しない。
幸せは、「感じた人にのみ存在」します。
同様に「不幸」という現象も、この世には存在しません。
たとえ、どれほどお金を持っていても、「不幸だ」と思っていれば、その人は「不幸な人」になります。
逆に、お金がなくても、本人が「幸せだ」と感じていれば、それが幸せになるのです。
今日、自分にとって「幸せだ」と思える出来事があったとします。すると、「それまでのケンカや争い、病気や事故なども、すべてが『今日の幸せ』に至るための要因だったこと」がわかります。
逆に、今日、「私ほど不幸な人はいない」と思うと、「それまでの出来事が、すべて『今日の不幸』の原因」になってしまいます。
つまり、「幸」と「不幸」は、オセロゲームのように「白」と「黒」が、すぐにひっくり返るものなのであり、「私の気分ひとつ」で決まります。
「幸せ」とは、「幸せという現象」があるわけではなく、「そう思う心があるだけ」です。
今日が「幸せ」と思えるのなら、その「幸せ」を連れてきた過去に対しても、感謝できるのではないでしょうか。
人間は未熟なので、目の前の出来事について、「よい、悪い」「幸、不幸」と評価してしまいがちですが、長い目で見ていくと「今、起きている悪いこと」が、不幸なことだとは言い切れません。
なぜなら、のちに幸せを感じたとき、「今の状況に至るためには、その出来事が必要だった」「あの体験のおかげで、いろいろな人に出会えた」ということに、気づけるからです。
そのことがわかったら、起きている現象について、一つひとつ「よい、悪い」「幸、不幸」と、評価・論評しなくなるのではないでしょうか?
「幸せ」とは、「幸せという現象」があるわけではなく、「そう思う心があるだけ」です。