「黒沢清の全貌」読み終わりました | 好きなことだけで生きられる

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黒沢清の本「世界最恐の映画監督 黒沢清の全貌」を読み終わりました。

監督の人柄と映画作りへの考え方ががよくわかる
2017年9月3日 小倉光雄

21世紀以降の黒沢のインタビュー集が内容の中心で、山根貞男や阿部和重による短い作品論が読める。宮部みゆきは相当の黒沢ファンであることがよくわかるインタビューだった。別のインタビューでは、黒沢清が最初に長谷川和彦の現場に携わり、その後には相米慎二のセーラー服と機関銃の現場にいた時の体験を語るところが面白かった。もう一つの収穫は、俳優達のセットでの移動経路とセリフのタイミングを設計した自作手書きの見取り図が3枚ほど掲載されていることだ。このようにして、映画を撮っているのかということがよくわかった。インタビューからは、監督の個性が伝わってくる。俳優を信頼しているから、余計な演技はつけず演出意図のみ説明して俳優には自由に演技してもらうそうだ。しかし、西島秀俊インタビューでは、逆に監督に全て任せて演技していると俳優は語る、この辺りの呼吸が興味深い。また再三、ラブシーンが苦手と言っている。確かにそういうシーンは少ないので、岸辺の旅やダゲレオタイプの女でのその種の情景が彼に撮っていかに冒険であったかがよくわかる。黒沢清ファンなら十分たのしめる内容と思う。
アマゾンレビューより
黒沢清の10年を総括する素晴らしいインタビュー集。ただしマイナス点も。
2017年9月10日 Rokita

キネマ旬報、文學界等に掲載されたインタビューやエッセイ(これがかなり面白い)を集めた内容。新録は『散歩する侵略者』を巡る黒沢フリークである宮部みゆきとの対談と篠崎誠監督との対談二つ。クリエイター同士ならではの突っ込んだ話が多く充実した内容で黒沢清ファンなら必見。もう一つ嬉しかったのは監督本人による脚本の設計図が掲載されていたこと。長回しの際に人物がどのように動くかを細かに記した貴重な資料となっていて、こちらも必見。

ここからはマイナス点をいくつか。
説明には書いていないが蓮實重彦との『LOFT』対談は『映画のこわい話 黒沢清対談集』の再録となっている。更に3本映画評論家による評論が30ページ程度収録されているが、これは完全に蛇足だと思う。黒沢清のインタビュー本に必要なものとは思えないし、説明に「評論」と明記されていない点も不誠実。

マイナス点はあるものの、ここ10年の長編作品を総括できるような内容になっているので監督のファンなら迷わずオススメです。
アマゾンレビューより
黒沢清の映画製作の裏話が読めて面白いです。
それにしても、黒沢清は、
映画も面白いし、インタビューも面白いし、
エッセイも面白い。
何もかもが面白いって、何だかズルい気がします。
でも、そんなことを言ったって、
面白いのだからしょうがないと思いますが。