
2018年作品 3時間9分
『ある画家の数奇な運命』は、2018年のドイツの恋愛ドラマ映画。監督はフロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク、出演はトム・シリングとセバスチャン・コッホなど。現代美術界の巨匠とされる芸術家ゲルハルト・リヒターの半生をモデルに、ドイツの「歴史の闇」と「芸術の光」を描いている。
ウィキペディアより
あらすじ
ナチ政権下のドイツ。少年クルトは叔母の影響から、芸術に親しむ日々を送っていた。ところが、精神のバランスを崩した叔母は強制入院の果て、安楽死政策によって命を奪われる。終戦後、クルトは東ドイツの美術学校に進学し、そこで出会ったエリーと恋に落ちる。元ナチ高官の彼女の父親こそが叔母を死へと追い込んだ張本人なのだが、誰もその残酷な運命に気付かぬまま二人は結婚する。やがて、東のアート界に疑問を抱いたクルトは、ベルリンの壁が築かれる直前に、エリーと⻄ドイツへと逃亡する。晴れて美術学校で創作に没頭するが、教授から作品を全否定され、もがき苦しむ。だが、魂に刻む叔母の言葉「真実はすべて美しい」を信じ続けたクルトは、ついに自分だけの表現方法を発見し新作を完成させる。それは、罪深い過去を隠し続けた義父を震え上がらせる作品でもあった―。
フィルマークスより
ショコラさんの感想
ナチス政権下~東西に分断されたドイツを舞台に、若き画家の苦悩と成長を描いた物語。
3時間の長編で、鑑賞中うっかり落ちるかも…😪と不安でしたが、全くの杞憂でした(笑)
重厚でドラマティック、芸術の世界にどっぷり浸れる秀作です。
主人公クルトの人生に影響を与える“二人のエリザベト”や元ナチス高官で厳格且つ高圧的な義父、美術学校の個性派教授など、彼を取り巻く人々の存在感が際立つ。
やがて試行錯誤の末に、クルトが独自の技法を生み出すシーンは美しく幻想的。
そしてペンならぬ、絵筆は剣よりも強しの瞬間に鳥肌が立った。
真実はすべて美しい…最初はチンプンカンプンだったけれど、なるほど深い言葉だ🤔
フィルマークスより
歴史に翻弄されながらも、ひたすら自らの手法を模索する主人公クルト。
愛するエリーに支えられながら、
ついに誰の真似でもない自らの手法を開眼します。
子供の頃に別れた亡き伯母の言葉と共に。
「真実はすべて美しい」と。
3時間9分の時間、ずっと彼らの人生を共に生きたかのような充実感が見終わった後に残ります。
「真実はすべて美しい」ことと
何かを生み出すには、
必ず生みの苦しみを味あわないと
生み出せないことを
教えてもらいました。