
新宿のケイズシネマにて、新作「セレーノ」を公開するのに伴い、「小田香特集2020」と題して過去の作品が上映される機会がありました。
9月19日に「セノーテ」75分 2019年 を観賞。
20日に、A「ノイズが言うには」38分2010年「あの優しさへ」63分2017
27日に、C「ひらいてつぼんで」13分2012年「呼応」19分2014年「FLASH」25分2015年 「色彩論 序章」6分2017年「風の教会」12分2018年「Night Cruise」7分2019年
10月4日に、「鉱 ARAGANE」68分 2015年
2010年から10年の間に撮られた作品を一気に観させてもらえる機会が与えられたことを感謝しています。
2015年の「鉱」も、今回初めて観ることが出来ました。
半年で、1回4時間の撮影を10回に渡って繰り返して撮られた映像を68分まとめた作品ですが、
あらかじめ撮るものを決めて撮影に望んだのではなく、カフカの短編小説を撮る予定で炭鉱の地下に潜らせてもらったら、とても短編小説ためのそのシーンだけでは収まらない位に魅力的な被写体だと思ったのがこの「鉱」という作品を撮るきっかけだったそうです。
作品全体に言えるのは、あらかじめ分かっていることを撮るのではなく、撮りながら模索しながら自分か表現したいものに近づいていっているように感じます。
ある意味とても誠実に真摯に物事を見つめる姿勢が作品にも表れているようです。
3年間映画の作り方を学んだ師匠タル・ベーラの作品が唯一無二の個性を持った作品であるように小田香さんの作品もまた今まで見たことのない個性を発揮している作品だと感じます。
これからの作品が益々楽しみな作家の一人です。