あんなに会いたかった女に会いに行く…
会いたい理由がこんなに変わるなんて
オレはメモした住所を頼りに電車を乗り継ぎ北関東のとある駅に辿り着いた
陽も陰ってき、夕闇が迫る
(本当にこんな所に居るのかよ…オレ…騙されたのか?)
駅員にメモを見せ聞いた
ユウ『すみません…この住所に行きたいんですが…教えていただけますか』
駅員『…あぁ、ここね~。バス使わないと無理だあ。でもねぇ…こっち行くバス最終出ちゃったよ』
ユウ『え?早くないですか
まだ夕方ですよ
』駅員『こ~んな田舎だからねぇ…それに…そこいらあんまり人住んでないからねぇ…』
ユウ『……そうですか…ありがとうございました…』
(あんまり人住んでない?やっぱり…オレ騙されたのか?)
駅員『ちょっと君…電車の最終も早いから気つけてな~』
ユウ『あ…はい。ありがとうございます』
(マジかよ…今日は帰った方がいいかな…でも…淳也…行くしかねぇ
)オレは腹を決めタクシーをつかまえた
ユウ『すいません。ここに行きたいんですが』
運転手『どれ。あ~お客さんアレかい?廃墟何とかとか胆試しかい?でも1人で胆試しってのもな~(笑)』
ユウ『いえ…知人が住んでるので…ちょっと会いに』
運転手『………あ……そう…。あの辺まだ住んでるんか』
ユウ『とにかくお願いします』
タクシーはどんどん人気の無い山間へ
オレは不安でいっぱいだった
(やっぱり警察に行ってから来るべきだったのか?いや…オレの話を信じてくれるかも判らないよな…)
そうこうしている内に
運転手『この辺だね。この小路を上がった辺りがその住所ですよ』
運転手は暗い小路を指差した
ユウ『あ…すいません。ありがとうございました』
運転手『お客さん今日帰るの?』
オレはふと考えた
(そうだ…淳也連れてすぐ帰るには足がねぇと…)
ユウ『あの、ここで少し待っていてもらえますか?居なかったらすぐに帰るので』
運転手『あぁいいよ~。ここいらじゃタクシーなんて一台も通らないからなぁ(笑)』
(ちょっと待てよ…オレあんま金持ってきてねぇ…まぁ明日朝になればバスもあるしな…ヒメカと話つけたら淳也と野宿でもするか(笑))
ユウ『あの…ずっと待っていてもらうのもアレなんで30分分を先払いしておきますから、戻って来なかったら帰ってくださって構いません』
運転手『そうかい?』
オレはタクシーを降りた
運転手が待っていてくれるという事がオレの不安を少し軽くしてくれていた
小路は雑草に覆われている
(やっぱり騙されてるのか?)
5分くらい歩いただろうか
一件の古い家が見えた
微かに漂ってくる…あの臭い
近付くにつれ強くなる
(くせぇ…でも……居る。居るって事だよな)
家の前に着きドアを叩く
ドンドンッ
奥から声がした
ヒメカ『きゃぁ
ユウ~
来てくれたのぉ~
』ドアが開く
物凄い臭いと共にソレがオレの目に飛び込んできた
(な…何なんだ…何なんだよコイツ)
帽子を被った真っ白い顔の…女
穴が空いたような光の無い真っ黒な目…口には笑みを浮かべている
近付いてくるヒメカ
オレの頭の中で警報が鳴り響く
(コイツはヤベェ
逃げろ
逃げろ
)オレは恐怖で言葉が出なかった…その場で固まり後ずさる事すら出来ない
ヒメカ『ユウ
お友達も待ってるよ~
早く入って入ってぇ~
今日からのユウとヒメカの愛の巣にぃ
』淳也を思い出しオレは正気を取り戻し声をふり搾った
ユウ『………早く淳也に会わせろ』
続く
他の女の名前呼ばないでよっ
』