(映画で、ジーン・ケリーが歌い踊る、ブロードウェイ・メロディのワンシーン)
久しぶりのエール練に参加して、名作「雨に唄えば」の場当たり稽古。
前回はまだ形になっていなかった、大人数のダンスシーンにも手が入り、ブロードウェイミュージカルらしい華やかさが出てきた。
8月公演が近づいてきたため、舞台の広さに合わせバミリを行う。
メンバー全員がアラムニーを卒業し、さらに表現力を高めようとする気概は健在であり、指導にも力が入る。
この日は、OGの八山が生後8か月のベビーを抱いて見学に来た。
音楽が流れると、体を揺すりウーウーと声を出すため、将来は音楽部でミュージカルをやるといいねと、みんな笑顔で手慣れた対応をする。
稽古の最初は、前回まだ振り付けのなかった楽曲の、歌唱とダンスチェック。
原曲は、1950年代のミュージカル映画であるから、多少間延びする部分があるものの、うまく現代的なセンスにまとめている。
「テンプテーション(誘惑)」のタンゴ風振付や、「ブロードウェイ・メロディ」の疾走感ある群舞など。かなり見ごたえがあるね。
そして誰もが知る、大雨の中のダンスシーン。
黄色の雨がっぱを着たダンサーたちが、キャシーとの愛を確信したドンを盛り立てるように踊る。
映画とは一味違う、舞台としての構成で見ごたえ十分。
ただし街灯がないため、どのようにしたら動きを止めて、恋の喜びを観客へアピールできるかは、これからの課題となる。
一度休憩を入れて、後半は全場面のおさらい稽古へ。
欠席者のセリフを上手に割り振って、舞台に穴をあけないのはさすがの対応。
喜劇ではあるが、サイレントからトーキーへの移行期にあたる映画産業の葛藤や、大女優と新進女優の対比などで、ドラマ性を高めて見ごたえがある。
特に、宝塚公演で裏声のみのリナについて、もっと繊細な感情表現と3つの声を駆使するセリフ回しで、豊かな表現になったのは素晴らしい。
お約束のようなハッピーエンドでなく、心に響く感動の余韻が生まれてきた。
暗転から明転へのスムーズな転換など、着替えが間に合わないシーンは追加セリフを当てて、柔軟に対応する。
8月の本番まで、残り2か月弱。
第二部のミュージカルショーを含めて、エールのチャレンジは続く。