(輝く十字架の下、スペランツァ組のロミオとジュリエットは秘密の結婚式へ。)
(追放直前。一夜だけの契りを結ぶ、テネレッツァ組のロミオとジュリエット。)
24thを迎えたアラムニーA’sは、ミュージカル「ロミオとジュリエット」3都市6公演を、成功裡に終えることが出来た。
とは言え、本番中にスマホを見たり、大事なセリフの時に大声を出すなど。
観劇のマナーを守らない人がいて、会場係をハラハラさせたこともあり、安易に入場できる無料公演の在り方を考えさせられた。
アラムニーは、来年へ向けての本結成や、演目決めなどを4月末までに行う。
今春大学生になるフレッシュメンバーの、ミュージカルメソッドも計画される。
少し時間があるので、1年間心血を注いだ「ロミオとジュリエット」の、創作にまつわる出来事や考え方などを検証してみたい。
「ロミオ」の意味は、イタリア青年らしい、あくなき恋への情熱。
「ジュリエット」の意味は、7月(July)の香り立つ花。
著名なシェイクスピアの研究者、小津次郎氏は以下のような解説をしている。
「ある意味において、ロミオとジュリエットは、偶然の所産である。モンタギュー家とキャピレット家の宿怨という前提はあっても、この悲劇はすべて予期せぬ出来事によってもたらされる。そして、背後にあるのは善意に他ならない。」
ロミオの友情は厚く、ジュリエットは清らかで誰からも愛される。
その善意から生まれた悲劇であるからこそ、純粋この上ない物語が心をとらえる。
全編にみなぎる抒情的な美しさや、生命力に満ちた若き登場人物は、悲劇としてこの上ないほど純粋だ。
また、訳本を担当して評価の高い本多顕彰氏は、以下のように総括する。
「シェイクスピアの浪漫主義を超えて、この劇に倫理を求めるなら、純粋なものが砕けるところに感じられる、感情の浄化であろう。」
明治時代の坪内逍遥訳から、様々な解釈をされた名作「ロミオとジュリエット」。
今回の執筆にあたっては、フランス発ロックミュージックをもとに、シェイクスピアの膨大なセリフを削ぎ出し、<3つのG>で組み合わせた。
すなわち、God(神) Glory(輝き) Geometry(幾何学) である。
これは、モーツアルトも会員だったフリーメイソン の「至高のG」に由来する。
そのため、登場人物全員にGへ向かう役割を与え、青春の持つ苦悩や葛藤を乗り越え、ラストの「和解」へ向かって突き進む。
対立する両家の和解だけでなく、若者たちが悲しみを糧として、未来へ向かうための光を携える和解とした。
わずか4日間に凝縮されたからこそ、スパークする想いが強い感動を巻き起こす。
様々な分野で学ぶ大学生たちが、アラムニーに集い、青春が輝き続ける可能性を追求する姿は、「今」を「未来」へつなげる力を感じさせて頼もしい。