(前橋プレ公演で冒頭のダンスシーン、「ヴェローナ」で対立する両家の若者たち)

 

(死後の幻影としてロミオの前に現れる、マキューシオとティボルト)

 

新年おめでとうございます!

 

太田と前橋2会場のプレ公演を終え、大学生として冬休みの時間を最大限活用し、ダンスの「振り直し」や歌唱力アップに余念がないアラムニーA’s。

 

コロナ規制が徐々に解けつつあるものの、常に警戒を怠らず年末通し稽古に向かう。

 

私にとっては、11月末のレクチャーと場当たり稽古以来、久しぶりの指導になる。

 

その間にどのくらい成長したのか、クオリティ向上のために作った追加セリフを、どう表現できるのか。

 

不安と期待の気持で、前橋リリカホールに入る。

 

すでに大勢のアラムニーOGが集まっていて、過去公演と今回の「ロミオとジュリエット」の話題に盛り上がっている。

 

次々に挨拶をもらうが、みんなマスクをつけているため自己紹介が欠かせない。

 

しかし、真剣に取り組んだ各作品の記憶は鮮明で、数年前に卒業したOGの役名を当てたところ、覚えていてくださりありがとうございます!と喜んでくれた。

 

2・3月、3都市6公演が近づいたことから、先輩たちの視線も鋭くなり、現役メンバーに緊張感がみなぎるのがわかる。

 

午前は、テネレッツァ組。

 

冒頭の「ヴェローナ」で、対立するモンタギュー家とキャピレット家の若者たち。

 

説明を極力省いた脚本のため、セリフの一つ一つを明確にしないと、ストーリーを客席へ届けられない。

 

舞台入場と退場の意味付けはされているか。ミュージカルらしい体の使い方や足の運び、そして至高のGを中心に置いた、外へ向かうエネルギーはいかに。

 

演じるメンバーのすぐ前面に並ぶOGに圧倒されたのか、セリフがうまく伝わらなかったり、動きにメリハリが欠けていたりと、課題の多い通し稽古になった。

 

午後は、スペランツァ組。

 

午前中のダメ出しが効いたのか、またはOGの視線に耐性が備わったのか。

 

午後は、スタートからインパクトある表現となり、ぐんぐん観る者を惹きつける。

 

明らかにプレ公演から向上した、シェイクスピアのロマンチシズムをまとう、青春みなぎる空間だ。

 

第二幕の決闘シーンから、ロミオとジュリエットの死へ至る、畳みかけるような疾走感が伝わり、名作舞台を観る豊饒な感覚を得られたのは大きな収穫だね。

 

まだ、マキューシオの死と、ロミオによるティボルトの刺殺シーンでのバックアップや、ジュリエットの麻酔薬を飲む陶然とした恋心の発露。

 

霊廟における、敵対する若者たちの、和解から未来へ向かう意識の変化など。

 

更に研究する必要はあるものの、年末通しらしい充実感があった。

 

令和6年の幕開けから始まる、アラムニーA’sの情熱としなやかな活動に期待したい。