第一のポイント。
それは、有名な「ベルリンオリンピック」がドイツで実施されたのは、
もともと本命であったスペインでの「バルセロナオリンピック」が、ナチスの圧力で潰された結果であること。
それに抗議して、民間人による「人民オリンピック」が企画された事実。

私もまったく知らなかった幻のオリンピック。それはファシズムの台頭によって、歴史から抹消された事件だったのだ。

ちなみに、半世紀以上過ぎた1992年。ついに悲願のオリンピックがバルセロナで開催された。当時を知る人にとっては、感慨無量であったろう。

第二のポイント。
それは、アメリカとソ連の主義主張のちがいということ。
ファシストの脅威に対してそれぞれ対抗手段を講ずるが、そもそも自由の概念がまったく違うのである。
ソ連は、組織を作って管理統制により、平等な社会を作ろうとする共産主義だから、アメリカの奔放な自由さを堕落と決め付けて嫌う。
アメリカは、個人の能力を評価する自由民主主義だから、コルホーズに代表されるソ連の共同体制での自由さをニセモノの自由として嫌う。

第二次世界大戦の戦後処理で、日本はソ連とアメリカに分割され、それぞれの属国になる可能性があったことも知られざる事実であるし、東西冷戦に突入し、第三次世界大戦の勃発がささやかれたのも、この二つの大国の対立ゆえなのだ。

アラムニーのミュージカルでは、コマロフとタチアナという凄腕のソ連情報局員が、諜報活動を展開するので注目していてください。