「でた…ラスボス」

「なんか言ったか!?

別な世界で親子だったお2人の

このやり取りを見ただけで少し嬉しくなってしまったあせる

 

『正直不動産2』第9話

NHK+で配信中でございます。

 

それにしても、

あれだけ裁判でもなんでもやればいい!!と、

この方は言ってたのに、

鵤社長が指図した途端…

「好きにしろビックリマーク」と

契約書の束を突っ返し、

その次には…

違約金も取られることなく解約できて、

めでたしめでたしになってましたあせる

 

いきなりの展開についていけませんでしたあせる

なので…

 

整理してみたいと思います。

 

そもそも、

ミネルヴァ不動産の狙いはなにかはてなマーク

 

オーナー側からの解約申入れによって生じる違約金をせしめることでした。

 

第9話冒頭のこの画面

採算が取れない物件のオーナー達です。

 

大河部長が解説したように、

空室の有無にかかわらず、

一括借上げをして家賃保証をするのが、

サブリース契約です。

 

おそらく空室が多く、

ミネルヴァ不動産にとっては旨味が

無くなったので解約したい。

それで、

どうせ解約するなら、

オーナー側から金をむしり取ろうと、

 

①賃料の大幅な値下げ要求という

無理難題を吹っ掛ける。

 

納得できないオーナー側が

解約を申し出た際は…

②家賃総額の18か月分の違約金を請求する。

というものでした。

 

①賃料の減額請求において、

神木たちは

借主であるミネルヴァ不動産は、

借地借家法第32条1項に基づいて

減額請求することができる。

 

それは、最高裁判所の判例でもある。

そう言ってオーナー達を脅しました。

 

神木たちが言ってる

最高裁の判例というのが、

おそらくこれだと思われます。

裁判例結果詳細|裁判所HPより)

最判平成15年10月21日です。

 

掻い摘んで事案を説明すると…

 

賃料増額特約付きのサブリース契約を

結んでいたが、当初の契約から大幅な減額を

請求されたオーナー側が、

増額特約に応じた賃料の支払いと、

敷金の充当を求めた裁判です。

 

原審の高裁はサブリース契約を

典型的な賃貸借契約とは異なる性質であり、

借地借家法32条1項の適用を限定的に解釈しました。

 

最高裁は、

借地借家法32条1項は強行規定であり、

賃料増額特約によっても適用の排除はできない

賃料減額請求権の行使は妨げられないとしました。

 

神木たちは、

この部分を盾に賃料減額請求を

正当化してるわけです。

 

しかし…

 

判決は減額請求が認められるかについて、

次のように述べてます。

 

赤下線部筆者加筆)

 

「諸般の事情を総合的に考慮すべき」

 

その具体的要素として、

賃料相場との関係や、オーナー側の借入金返済の予定に関わる事情などが挙げられているのです。

 

永瀬財地が、

オーナー側を取りまとめて

裁判を起こした場合、

ミネルヴァ不動産側の減額請求が、

賃料相場を無視したものであったり、

オーナー側の返済計画を無視した

強引な要求であったと認定されれば、

勝訴する可能性は十分あり得ます。

 

また、

通常のサブリース契約から逸脱した

30%の手数料や、

通常3か月程度の違約金を

18か月分も設定するなど、

オーナー側に著しく不利な契約内容と

認められれば、

「正当事由」があるとして

解約も認められるかもしれません。

(希望的観測ですがあせる

 

 

集団訴訟が提起されて、

誰よりも困るのは、

鵤社長です。

今は特に大切な時期でした。

立川店の立ち上げです。

 

事業をさらに拡大させようとしているのに、

集団訴訟を提起されれば、マスコミにも取り上げられるかもしれません。

そうなれば、

永瀬財地が主張したように、

社長である鵤氏の過去にも注目が集まり、

事業拡大に支障が出る可能性がありました。

 

ミネルヴァ不動産にすれば、

リスクを冒してまで違約金に執着する

必要は最初からありませんでした。

だから、

すんなり引き下がったのです。

 

オーナー側は、

違約金を払わずにめでたしと

浮かれてますが、

採算が合わなかったわけですから、

空室も多いと考えられます。

入居率を上げるためのオーナー側の努力はこれからなのです。

 

 

ちなみに、

コチラのオーナーは

賃料減額に応じました。

この場合、ミネルヴァ不動産には

どのようなメリットがあるのでしょうかはてなマーク

 

第9話放送から2週間限定で

原作の該当話が無料で公開されてます。

こちらに答えが書かれてます。

「差額分」とあります。

 

サブリース契約は、オーナーから

一括借上げした物件を転貸して

その差額が業者の利益となります。

 

オーナーが賃料引き下げに応じれば、

その分利ザヤが増えるのです。