正直の祟りを逆に利用されて、
永瀬財地がピンチに陥った
『正直不動産2』第5話。
怪物神木によって
本来は禁止されている投資目的での
マンション購入でフラット35を利用してしまったのが、
永瀬財地の中学時代の同級生の旦那さんでした。
購入してしまった物件がコチラ。
↓
埼玉県の大宮駅から徒歩5分、
築15年の2LDK、
価格は3,800万円。
これを…
月17万円で貸すというものでした。
永瀬財地はこの地域の相場からすると、
借り手がつかないことは分かっていた
ハズだと神木に詰め寄りました。
実際に調べてみると
大宮駅から徒歩10分圏内で、
築年数が15年前後の2LDKは、
15万円程度、
築年数20年くらいだと、
12万円程度のようです。
そもそも、
ミネルヴァ不動産の目的はマンションの売却です。
なので、
売れてしまえば後はどうでもよく、
借り手が付かなくても責任を負うのは
購入者なので放置します。
言葉巧みに購入者を誤認させた
不動産業者の責任を追及しようにも、
投資目的でフラット35の利用を
決断したのは購入者自身です。
なので第三者である住宅支援機構から
一括返済を求められれば拒否できないのです。
フラット35を投資目的に悪用した事例は、
2020年以降多発しメディアで記事になりました。
（2021年5月4日 朝日新聞）
現在も悪用事例は後を絶たず、
フラット35の申込に際して
利用者が知らないうちにローン審査の
申込書が書き換えられるなど、
その手口は巧妙化してます。
（MBSNEWS 2023年2月16日）
借り手がつかないまま、
2軒分のローン返済を迫られ
しかも、
フラット35の規約違反を犯したことで
一括弁済請求のリスクに直面した
若村夫妻はこれを一刻も早く売却する
必要に迫られました。
永瀬財地もすぐに買い手を
見つけられる状況ではない中で、
救いの手を差し伸べたのが、
もう一人の課長代理である藤原でした。
埼玉で投資物件を探している
買い手がいるから仲介すると申し出ます。
そして、
こう付け加えました。
「もちろん、3,800万そのままとは行きませんが…。」
背に腹は代えられない若村夫妻は、
その条件をのんで依頼することになりました。
藤原は感謝する永瀬財地に
「これは、貸しにしておきます。」
この一見すると人助けに思える
藤原の行動ですが…
よく考えたら、
大宮駅から徒歩5分の2LDK、
築年数15年でも3,800万円は、
高いとは言えない物件だと思うんです
ここ1～2年は、
東京を中心に首都圏の地価も
上昇してます。
大宮駅は東京まで約30分、
各方面へのアクセスに適しており、
周辺地区で最大の繁華街を有します。
賃料さえ相場に合わせれば、
投資物件として成立しそうとも思えます。
しかし…
フラット35のような
居住向けの住宅ローンと異なり、
不動産投資向けのローンは、
金利もその分高くなります（※）。
（※2024年2月現在:フラット35 1.82%、民間長期固定 1.3~1.5%、民間変動 0.3%~ 住宅金融支援機構HP、リクルートより。不動産投資ローンは、SBIなど2％台もありますが、地方銀行で3％以上となってます。ただし、物件の担保価値や融資先の資力によって金利は大幅に変わり、金利が10％以上になる場合もあります。）
単に賃料を下げれば済むというわけではありません。
築年数が20年を超えれば、
さらに賃料を下げる場合もあります。
そうなれば、
収益はさらに悪化します。
藤原は3,800万円から、
さらに値引きした金額にすることで、
投資物件として成立するように
仲介することを目論んだと思われます。
3,800万円に近い金額で、
永瀬財地が買い手を見つけられれば、
若村夫妻の傷はもっと浅くて済みました。
しかし、地主や投資家との幅広い
コネクションを持つ藤原のようには、
買い手を見つけることができなかったわけです。
「貸しですよ。」と言われた後の
永瀬財地の表情は、
救いの手が現れたことへの
安堵などほとんど感じられないものでした。
一方、
フラット35で売りまくった
ミネルヴァ不動産。
神木の独走と思われた
月間の成績は…
まさかの
花澤涼子と同率1位という結果に。
ショックを受ける神木
を尻目に鵤社長は
上機嫌でその場を後にします。
…
あの…
気になるのですが
これ。
右上の端「前年同月比」。
95％なんですよっ
前年比割れなんですよっ
5％も割り込んでるんですよっ
怪物神木と、
負けじと奮起した花澤涼子が
契約しまくったわけですよね
それでも、
前年割れって
そこを社長は何も言わないって
前年に何があったのでしょうか
あれですかね
登坂不動産への復讐に憑りつかれて
どうでも良くなったのでしょうか