君と歩く未来を76『雪景色』和Side~ | ニノのこと♡韓国♡妄想小説♡日々の出来事を綴ったブログ

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『雪景色』和Side~



次の日、起きると楓がいなかった。


あれ?

どこ行ったんだろう。


俺は布団から出て部屋の暖房をつけた。


寒いな。


楓の大きな荷物はそのままだった。


布団の脇に浴衣が畳んでおいてある。


着替えて出掛けたのか…。


そう思っているとスマホが鳴った。


『カズくん、外に出てきて。』


ん?

何?

俺は言われるままに着替えて旅館の外に出た。


外に出るとものすごく寒い。


そして、目の前には綺麗な雪景色が広がっていた。

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「楓?」


「カズくん。見て、昨日の夜に雪が降ったみたいなの。」


「そうみたいだな。やっぱり異空間だな。」


「異空間?」


「うん。都会とは違う。俺たちだけの世界みたい。」


「ふふふ、カズくん、急にどうしたの?」

隣にいる楓が笑った。

俺は急に恥ずかしくなって「寒いから中に入ろう」と楓を置いて入り口から中へ入ろうとした。


「待って!」

楓の声に振り向くと楓が持っているカメラを俺に向けた。


「ちょっと…」


「二人で…撮らない?」


「まぁ…いいよ」俺は楓に微笑んだ。


雪をバックに二人で並んで楓が手を伸ばしてシャッターを押した。


それから二人で手を繋いで旅館の周りを歩いた。


「ねぇ、カズくん?」


「何?」


「ううん。」

楓は首を横に振った。

俺はそれ以上何も聞かずにそのまま歩いた。


しばらく歩いて立ち止まって楓を見つめた。


「楓?」


「なに?」


「ううん。なんでもない。」

俺は首を横に振った。


「ちょっとカズくん、気になるよ。」

そう言って俺と手を繋いだまま立ち止まった。

俺は手を引っ張られて無理やり立ち止まった。

「楓、痛いって。」


「だって…」


「さっき楓も、同じことしただろ?」


「あ…っ!」


「で?なんて言おうとしたの?」


「なんでもないよ…」

楓はいつになく恥ずかしそうにした。


「言わないとチューしちゃうよ?」


「もぅー////」

楓はむくれて俺の胸を叩いた。


「痛いって楓。言わないと本当にキスするよ?」


「本当に意地悪なんだからっ!」

楓は俺と繋いでいる手を離して1人で歩き出した。


あーもぅ。

すぐにむくれるんだから、楓は(笑)

「ちょっと待って楓。」

俺は慌てて追いかけた。


「やだ。」

追いかけても楓は早足で逃げていく。


「楓!」
やっと腕を掴んで自分の胸に収めた。


「なんて言おうとしたの?」


「カズって…呼んでいい…?」


「バカ、そんなこと?」


「だって。今更 恥ずかしいもん。」


「いいよ。」


楓は俺の胸の中で小さく「カズ…」そう呼んだ。


「もっとたくさん呼んでよ。」


「うん。カズ?」


「なに?」


「カズ」


「何?」


「好きだよ。」


「うん。」


「大好きだよ。」


「うん。」


「私も…言って欲しい。」


「ダメ。」


「なんで?」


「こうしてからね。」

俺は胸の中にいる楓をそっと、引き離してキスをした。


優しくそして力強く。


唇を話すと「愛してる」そう耳元で囁いた。


「……」


「泣くなよ、楓?」


「うん…分かってる、大丈夫。」


俺たちはそのまま手を繋いで歩いた。

外は寒いのに手から伝わる気持ちはものすごく暖かかった。



あの時、翔ちゃんが送ってくれた楓の手紙を思い出していた。



続く