君と歩く未来を43『嘘ばかり』和side~ | ニノのこと♡少し韓国♡妄想小説♡日々の出来事を綴ったブログ

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『嘘ばかり』和side~


それから何日か経って楓からLINEが来た。


«カズくん、聞いてほしいことがあるの。会える?»


きっと、翔ちゃんに告白されたことだと思った。


«いいよ。いつにする?»


«今日でもいい?仕事が終わったら待ち合わせしよ?»


俺は楓と会う約束をした。

翔ちゃんには、残業で遅くなるから夕飯は何か適当に済ませておいてくれ、と連絡した。

楓と会うことは言わなかった。


仕事が終わって待ち合わせた居酒屋に行くと先に来た楓が店の端っこのテーブル席に座って待っていた。


「ごめん、ちょっと遅くなった。」


「いいよ、それより今日はごめんね。急に呼び出しちゃって。」


「うん。で?聞いて欲しいことって?」


俺が席に着くと店員が注文を聞きに来たのでビールと軽い料理を少し頼んだ。


「うん。もう聞いてるよね。翔くんから。」


「あぁ、聞いた。で?どうするの?」


「カズくん、唐突だな。もう少し聞いてよ。」


「あ、ごめん。」


「私、驚いちゃって…」


「泣いたんでしょ?」


「聞いてるんだ…そりゃそうだよね。カズくんと翔くん、今一緒にいるもんね。」


「うん。翔ちゃん、最初は楓に会うことも俺に言わなかったんだ。」


「そうなの?」


そこまで話して頼んでいたビールと料理が運ばれて来た。


「とりあえず、乾杯しよ?」

俺はテーブルに置かれたビールを持って楓の持ったビールに軽くカチンと当てた。


「カズくん、お疲れ様。」


「楓もね。」


俺がそう言うと楓は、ニコッと笑った。


「はぁ、やっと、笑った。」


「えっ?」


「さっきからなんから表情硬かったから。」


「本当に?そうだったかな。」

楓は、そう言いながら自分の頬を撫でたりした。


「それで?どうしたい?楓は?」


「うん、それよりカズくんには私と会うこと言ってなかったの?」


「あぁ、なんか内緒にしててさ。だから俺が問い詰めたの。そしたら全部話してくれたよ。楓が泣いたことも。」


「そう…なんだ。」


「うん。自信ないって言ってた、翔ちゃん。」


「私…分かんないんだ。翔くんに好きだって言われて、その時にカズくんが言ってたことを思い出したの。」


「俺が?言ったこと?」


俺はビールを飲みながら楓を見た。


「カズくん、言ったでしょ?翔くんに好きだって言われたらどうする?って。私絶対ないと思ってた。だから本当だったんだって…びっくりしたし…なんかよく分かんなくて…」


楓はそこまで言って黙ってしまった。


「楓の気持ちはどこにあるの?」


俺は楓をじっと見つめた。

楓の答えを聞きたい。

そう思ったのに。

答えを聞いた途端。

嘘ばかりを並べた。






続く