3
和也が帰ると急に部屋の中が静かになる。
部屋が広く感じた...
寂しい。
今頃、友達の所かな?
何故か涙が頬を伝う...
私...友達に言おうかな。
和也が好きだって。
その時携帯が鳴る。
急いで涙を拭って電話に出た。
―もしもし?翔?
―うん。
―どうしたの?
―あのさ、今からちょっと行ってもいい?
―なんで...?
―じゃ、あとで。
―ちょっと...
切れちゃった。
しばらくすると翔が来た。
ドアを開ける。
「おまえ...どうしたの?!」
私は涙を慌てて拭いた。
「何でもない...」
「何でもないわけないだろ?」
「ごめん、今日はダメだ...」
私は涙が止まらなくなった。
「大丈夫?」と翔は私をそっと胸に抱き寄せてくれた。
「ごめんね。」
翔は私の背中をトントンと叩きながら「大丈夫だよ」と何回も言ってくれた。
私が少し落ち着くと改めて部屋に入ってテーブルを挟んで座った。
「昨日、話してて気付いたんだ。」
「なに?」
「カズが好きだろ?」
「バレた...?」
「俺はてっきり...」
「てっきりなに?」
翔は自分の頭を掻きながら照れくさそうに「俺が好きなんだとばかり...」
私は笑ってしまった。
「ふふふ、可笑しい。」
「やっぱ笑ってる方が可愛いよ」
「翔、私が好きじゃなくてがっかりした?」
「ちょっとね、.....なんて。」と照れ笑いした。
「でも、なんで?」
「ん?」
「なんで来てくれたの?」
「もし、カズが好きなら友達と同じやつを好きなんて...辛いんじゃないかなと思って...」
「翔、心配してくれたんだ。」
「うん。そしたらいきなり泣いてるしな(笑)」
「///ごめん。」
「どうすんの?」
「今日ね、友達、和也の所に行ってるの。」
「そうなんだ...」
また泣きそうになっていると、翔が慌てる。
「ちょっ、泣くなって。」
その姿がおかしくて笑ってしまった。
「ほらっ笑ってなって。泣いてちゃダメ」
ごめんね。
翔のおかげで元気出てきたよ。
「私...友達に話すね。もう苦しいのは嫌だから...」
「うん。そうしな。」と言って優しく笑う。
そんな翔にちょっとだけ。
ドキッとしてしまった。
続く