相葉は、また夢を見ていた。
『待って。どこに行くの?』
『相葉、おまえが悪いんだよ?』
『俺が?何?』
高橋がナイフを持って歩いていく。
『どうして覚えてない?』
『何を覚えてないって言うの?』
『美紀の事だ。覚えてないなんてな...おまえのメンバーが傷つけばいい。だからまだ傷つけてないヤツの所に行く。』
『ちょっと、待って。覚えてないって何の事なの?』
『早く思い出してよ?』
高橋は歩いて行ってしまう。
『待って!』
相葉は自分の声で目が覚めた。
目を覚ますと櫻井、松本、大野が見えた。
松「雅紀、大丈夫?すごいうなされてたよ?」
相「なんか、夢...見てて。」
松「夢?」
相「うん...俺さ...もしかして...」
松「何?」
相「いや...」
相葉はうっすらと思い出していた。
高橋...
そうだ。
そんな名前だった。
アパートにいて、それから...
それからどうやって逃げて来たんだっけ?
美紀...
美紀?
夢で高橋が美紀と言っていた。
美紀...?
笑顔の女の子が見える。
そっか、美紀。
櫻「雅紀?大丈夫?」
相「翔ちゃん...」
櫻「何?どこか痛い?」
相「いや...大丈夫。」
その時病室のドアをノックする音が聞こえて看護師と白石が入ってきた。
「相葉くん、どうかな?」
白石がベッドに近付きながら聞いた。
「大丈夫です。」
「それなら、良かった。念のため検査するから行こう。」
そう言って看護師が持って来た車椅子に乗るように言った。
まだ少しふらつく相葉を櫻井が支えた。
「大丈夫?」
「翔ちゃん、ありがとう。大丈夫だよ。」
車椅子に乗せられて相葉は病室を出て行った。
「ねぇ、雅紀思い出したのかな?」
松本が二人を見た。
「うん...たぶんそうかも。」
櫻井は相葉が出て行ったドアを見つめていた。
思い出したとしたら高橋と言う男は何者なのか?
どうして監禁なんてされていたのか...。
相葉の口から聞くことは出来るんだろうか?
そして、二宮は?
この病院のどこにいるのか?
相葉のように監禁されているのか?
いろんな不安が櫻井を襲った。
それは、松本も大野も同じだった。
女性の病室にいると言った。
「女性の病室って言ってたけど、雅紀とその高橋とどんな関係が...?」
櫻井は頭を抱えた。
分からないことばかりだ。
櫻井はその病室をこっそり探そうかと考えていた。
続く