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その日、私は夕飯を作って潤の帰りを待っていた。
夕方には終わるって言ってたのにな。
時計を見るともう19時を回っていた。
遅いなー・・・
あけみは、テレビを見ながらソファーで眠ってしまった。
ガサガサと物音がして目を覚ました。
誰?!
あけみがソファーから起き上がると潤がキッチンで何やらやっていた。
「ごめん。起こしちゃった?」
「んー、どうしたの?」
「あけみが作ってくれたご飯。温め直して食べようと思って。」
潤は、電子レンジからお皿を取り出してリビングのテーブルに運んだ。
あけみが時計を見るともう23時を過ぎていた。
「ねぇ、潤?」
「ん?」
「今日は早く帰ってくるんじゃなかったの?」
「あー、うん。ごめんな。」
「仕事?」
「いや。友達から電話が来てさ。急に飲もうって。」
「そっか。また友達?」
「ごめん。久しぶりに連絡が来た友達だからさ。」
「ふーん。。」私はちょっと不機嫌な顔をした。
「あけみ、ごめん。」
「もう、いいよ。こうやって帰って来たんだし。」
「良かった。あ、メールしたんだけどな。寝てたから気付かなかった?」
「えっ?」あけみが携帯を見ると確かに潤からのメールがあった。
「今日は、夕方には終わるって言ってたんだしもう少し早く連絡出来たんじゃないの?」
「うん。ごめん。うっかりしてて。」
潤はあけみの作った料理を次々に口に運んだ。
「美味しいよ、これ。」そう言ってニコリと微笑む潤にあけみはこれ以上何も言えなかった。
潤はズルイな。
何だか私ばっかり損してる気がする。
「ねぇ、潤?」
「ん?」
「何でもない。」
「なんだよ?(笑)」
「ううん。」あけみは潤を見て小さく微笑んだ。