片想いと親友と。(翔潤)6 | ニノのこと♡少し韓国♡妄想小説♡日々の出来事を綴ったブログ

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腕を掴まれたあかりが振り向いた。


「もうちょっとだけ…」 


「翔くん?」


「まだ、朝早いし寒いから、もう少し…」



彼女の綺麗な瞳が戸惑ったように揺れていた。
その揺れた綺麗な瞳で俺を真っ直ぐに見つめてあかりは言った。


「翔くん、私これからまた、潤くんの所へ行くの。潤くん、熱があって、だから、、」   


「熱!?」


「そう、風邪みたいで。だから。。」





俺は掴んでいた腕を離した。 


「帰るね。」


俺は何も言えなかった。


好きだと言う言葉も胸の奥に飲みこんだ。



言えない…。


好きなのに、好きだって言えない。


あかりをこの腕に胸に感じていたい。


こんなにも好きだったんだ。


改めて自分の気持ちの深さを知る。





玄関で靴を履き、じゃあねと言うあかりの腕を俺はもう一度掴んだ。
そして、自分の胸にギュッと抱きしめた。
もう、我慢出来なかった。こんなに好きなのに。


「翔くん?」


「しばらくこのままでいて。」


「翔くん、どうしたの?今日はちょっと変だよ?」


「行かないで欲しい。」


「翔くん、何言ってるの?離して。」



あかりは俺の腕を振りほどこうとして俺を突き離した。


「今日の翔くん、おかしいよ。」


「ごめん…でも…」


「でも?」


「好きだから。」

俺は気持ちを押さえきれずについに、好きだと口にしてしまった。

「好きなんだ。」


「何言ってるの?自分が言ってる事分かってるの?!」


「いつの間にか好きだったんだ。ずっと君を見てきたんだ。なんで、潤くんなんかと…。」


あかりは泣いていた。
綺麗な瞳から涙がポロリと落ちた。



「バカじゃないの?今更何言ってるの?」


「今更って…」


「私はね、大学の時から翔くんが好きだった。だけど、翔くんは私を妹としか見てくれなかった。覚えてる?私がバレンタインにあげたチョコだって、どうせ義理だろって、、」


「ごめん。あの時はまだ、、」


「だから!だから、私は私を大事に思ってくれてる潤くんと付き合う事にしたの。」


俺は何も言えなかった。


「なのに、今更好きだなんて。もう遅いよ。。」
あかりは、俺の前から静かに立ち去った。






あかりが昔、俺を好きだったなんて。
気付かなかった。


バカだ。


俺、何やってるんだろう。



どうして今更…



彼女の言う通りだ、


今更だ。


潤くんの大事な人を俺が奪う事は出来ない。


続く