二宮と松本は、高橋が見えなくなるのを確認すると、物置からそっと出た。
「暑かった。」二宮は汗をかいていた。
「本当、暑かった。」松本も汗だくだった。
二宮と松本は目で合図しながらアパートの階段を登った。
高橋が出てきた部屋のドアノブを松本が握り、二宮を見た。
「開く?」と二宮が松本に小さな声で聞いた。
松本がゆっくりとドアノブを回して手前に引くとドアは開いた。
「開いた」と二人同時に声が出た。
中へと恐る恐る入っていくと、部屋に相葉が倒れているのが見えた。
「雅紀っ!」松本が駆け寄った。松本が相葉を抱き起こすと二宮も「何があったのっ?!」と相葉の側でかがんだ。
「ニノ!潤くん、どうして・・・」相葉は二人を見て驚いていた。
「それは、あとで話すからとりあえずここから出よ。」松本は相葉を促すと相葉を立ち上がらせて玄関まで支えるように歩いた。
二宮が相葉の姿を見て泣きそうになった。
どうしてこんな事に。
三人は足早に玄関を出て階段を降りた。
少し足元がふらつく相葉を松本は支えた。
「大丈夫?何も食べてないの?」松本が歩きながら聞いた。
その質問に答えずに相葉は何かに怯えるように辺りをキョロキョロしながら見た。
階段を降り切ると「どうした?」と松本が相葉を見て聞いた。
「いや、また戻ってくるかもしれない。」
小さな声でそう言った。
「えっ?」松本は相葉の声がよく聞こえなくて相葉の方に耳を近付けた。
「戻ってくるかもしれない。」さっきより少し大きな声で松本に言った。
「さっきの男か?」松本は相葉の顔を真っ直ぐに見て言った。
何かに怯えるように相葉は「早く、早く行こう」と二人を促して歩き出した。
三人はひたすら早足で歩いたが、相葉はふらふらとしていた。それを支えるのに松本は必死だった。
松本は、ポケットからマスクを出すと相葉に渡した。
「とりあえず、これつけて。電車に乗るから。」
「いや、タクシー拾おう。相葉さんこんなんじゃ無理だよ。」二宮が言った。
松本は、二宮の言葉に頷いた。
三人は通りに出てタクシーを拾うと急いで乗り込んだ。
「どこへ向かう?」二宮が松本を見た。
「とりあえず、病院だな。」松本は相葉を見た。
相葉は寒いのか怖いのか少し震えていた。
「翔ちゃんに連絡してみる。」二宮はポケットからスマホを取り出した。
続く
「暑かった。」二宮は汗をかいていた。
「本当、暑かった。」松本も汗だくだった。
二宮と松本は目で合図しながらアパートの階段を登った。
高橋が出てきた部屋のドアノブを松本が握り、二宮を見た。
「開く?」と二宮が松本に小さな声で聞いた。
松本がゆっくりとドアノブを回して手前に引くとドアは開いた。
「開いた」と二人同時に声が出た。
中へと恐る恐る入っていくと、部屋に相葉が倒れているのが見えた。
「雅紀っ!」松本が駆け寄った。松本が相葉を抱き起こすと二宮も「何があったのっ?!」と相葉の側でかがんだ。
「ニノ!潤くん、どうして・・・」相葉は二人を見て驚いていた。
「それは、あとで話すからとりあえずここから出よ。」松本は相葉を促すと相葉を立ち上がらせて玄関まで支えるように歩いた。
二宮が相葉の姿を見て泣きそうになった。
どうしてこんな事に。
三人は足早に玄関を出て階段を降りた。
少し足元がふらつく相葉を松本は支えた。
「大丈夫?何も食べてないの?」松本が歩きながら聞いた。
その質問に答えずに相葉は何かに怯えるように辺りをキョロキョロしながら見た。
階段を降り切ると「どうした?」と松本が相葉を見て聞いた。
「いや、また戻ってくるかもしれない。」
小さな声でそう言った。
「えっ?」松本は相葉の声がよく聞こえなくて相葉の方に耳を近付けた。
「戻ってくるかもしれない。」さっきより少し大きな声で松本に言った。
「さっきの男か?」松本は相葉の顔を真っ直ぐに見て言った。
何かに怯えるように相葉は「早く、早く行こう」と二人を促して歩き出した。
三人はひたすら早足で歩いたが、相葉はふらふらとしていた。それを支えるのに松本は必死だった。
松本は、ポケットからマスクを出すと相葉に渡した。
「とりあえず、これつけて。電車に乗るから。」
「いや、タクシー拾おう。相葉さんこんなんじゃ無理だよ。」二宮が言った。
松本は、二宮の言葉に頷いた。
三人は通りに出てタクシーを拾うと急いで乗り込んだ。
「どこへ向かう?」二宮が松本を見た。
「とりあえず、病院だな。」松本は相葉を見た。
相葉は寒いのか怖いのか少し震えていた。
「翔ちゃんに連絡してみる。」二宮はポケットからスマホを取り出した。
続く