15
智くんは、何も言わずに私を抱きしめたまま『俺も寂しかったんだ。』
そう言った。
私は何だか胸が締めつけられるようにキュンとした。
真っ暗な寝室にカーテンからうっすらと月の光が入ってきて二人を照らした。
体をゆっくりと離すと目と目が合って自然と唇が重なった。
優しくそっとキスしたあと、彼は私の首筋に唇を落とした。
大きな綺麗な手で私の頬を包むともう一度、唇を重ねてきた。
今度は少し激しく。
その綺麗な手でそっと私の体をなぞる。
少しずつ着ているものをはがされていく。
『大事にしたいんだ。』彼がそう言いながら私の体に優しく触れる。
ゆっくりと私を押し倒すとそのまま深い夜の闇へと落ちていった。
『俺さ…こんな気持ちになったの初めてなんだ。』
そう言って私のすべてを愛してくれた。
隣ですやすやと眠っている彼の体にくっついて私も瞳を閉じた。
こんな気持ちになるなんて思ってもみなかった。
最初の出会いからものすごく長かったような気がする。