13
朝になりカーテンから光がこぼれていた。
眩しい。どのくらい寝ちゃったんだろ。。
隣を見ると智くんの布団はもうなくて智くんもいなかった。
私は慌てて起きてリビングへと行った。
もう、仕事行っちゃった?
カバンからiPhoneを出すと時間を見た。
9時?!
やだ、寝すぎた。
会社にも、連絡しなくちゃ。
どうしよう。智くんも行っちゃったみたいだし。
オロオロしながら部屋を見回していると、『あ、トモちゃん起きた?』と声がした。
『えっ?』
『どうしたの?幽霊でも見たみたいな顔して』
智くんはいつものふにゃとした笑顔でそこにいた。
『もう、行っちゃったのかと思ったから。』
『ごめん、朝ごはん。何もなかったから買ってきた。』そう言いながらコンビニの買い物袋を私に見せた。
『わざわざ、良かったのに。』
『ふふふ、でも、お腹空いちゃうでしょ。』
リビングのテーブルに買ってきたサンドイッチを置くとコーヒーを入れてくれた。
『智くん、今日は何時に行くの?』
『うんと、もう少ししたら。』
『そっか。帰りは?』
『今日は、早いと思う。たぶん。』
『じゃあ、ご飯作って待っててもいい?』
『本当に?ご飯作って待っててくれるの?』
『うん。』
私と智くんは見つめあって微笑んだ。
朝食を済ませると智くんは、仕事に行く支度をした。
玄関に向かう途中私に何かを手渡した。
『何?』
渡されたものを見ると、鍵?
『合鍵。持ってて。』
智くんは恥ずかしそうに笑うと私の唇をパクっとした。
『行ってくるね。』
『行ってらっしゃい。』
玄関で智くんを見送ると顔がニヤけてしまった。
なんか新婚みたい。
ふふふ。