にのちゃん、誕生日のお話しです。2015.6.17 | ニノのこと♡少し韓国♡妄想小説♡日々の出来事を綴ったブログ

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なかなか、二人で祝えないね、そうポツリとつぶやいて、彼は朝出かけて行った。

ここ何年も二人でお祝いは出来ていない。

今日は、彼の誕生日。


どうしようかな。


リビングのソファに深く座って大きく溜め息をついた。仕事は休んでしまった。
だって、今日は特別な日。



「ふぅー」両手を上げて座ったまま伸びをした。


ふと、目に止まったカレンダーに丸がついている。


6月17日。




『ねぇ、この日は一緒にお祝い出来る?』


『ん?そうだな~』彼は私が丸を付けたカレンダーを見て黙ってしまった。


『だよね、無理だよね・・・』

私は彼の隣に座った。


ごめんね。と小さくつぶやく彼の肩にもたれかかった。





それでも、ケーキくらいは作ろうかな。


私はリビングからキッチンへ行き冷蔵庫を開けた。


必要な材料をキッチンに並べ小麦粉を量り夢中で作り始めた。


スポンジを焼き、クリームを塗る。


フルーツを切って飾る。


出来た!!


チョコレートのプレートに《カズおめでとう》と書いているとなんだか悲しくなった。


バカみたい、私。


毎年こうやってケーキを作るけど結局一緒に食べたことはない。

ケーキを冷蔵庫にしまうと、リビングのソファーに座った。

いつの間にか、夕方になっていた。


窓の外を見ると夕焼けで空が赤く染まっていた。


私、何時間かけてケーキ作ったんだろ・・・(笑)


スポンジを焼くのに何度か失敗した。毎年作ってるのになかなか上達しない。


彼が帰って来るまでに今度は料理も頑張らないと。


ハンバーグ。作ろうかな。


でも、何時に帰ってくるかわからない彼の為に作るのもバカらしい。

もう止めようかな。

一緒にいる時間も少ないし・・・


夕焼けの空が徐々に暗くなり今度は青黒い空に変わっていった。


もう、いいや。


ソファーに横になるとそのまま眠った。


何時間眠っていただろう。


何やら物音がして、目が覚めた。


「あっ、起こしちゃった?」


私はまだ半分眠っている体を無理やり起こして声の正体を知りたくて目を凝らした。

ぼんやりと見つめるとそこには彼がいた。


「えっ?カズ?」


「びっくりした?」そう言って微笑む彼が私を見つめていた。


「どうしたの?まだ仕事なんじゃ?」
びっくりしている私の隣に座ると彼は私をいきなり抱きしめた。


「ごめんね。ちょっとだけ時間もらったからお祝いしよ?」


「えっ?夢?」私はカズの頬っぺたをつねった。


「イタタ…痛いって。そういう時は普通自分の頬っぺつねるでしょ?」

“んふふ“と笑って私を見つめた。


「仕事は?いいの?」


「あなたは、気にしなくていいの。一緒に祝って欲しくて帰って来たんだから。」そう言って相変わらず可愛い顔で微笑んだ。


「うん…」私はカズに微笑み返した。


キッチンのテーブルにケーキを出すとロウソクを立てた。


「ごめんね、ハンバーグ作るつもりだったんだけど…」


「いいよ。」そう言いながらロウソクに火を付けた。


「カズ?」


「ん?」


「大好きだよ。」


「ふふふ、急にどうしたの?」


そう言う彼の耳は真っ赤だった。

ふふ、わかりやすいな。

「ねぇ、ロウソク消したら?」


「そうだね。」とニコッと笑った彼がすごく愛しかった。


彼がロウソクの火を消すと、私はケーキを切り分けた。


「誕生日おめでと。カズ。」そう言いながらお皿に乗せたケーキを彼に渡す。


2人でケーキを食べていると訳も分からず涙が自然と溢れてしまった。



「えっ?何?!なんで泣いてんの?」


「分かんない…分かんないけど…」


「どうしたの?」彼が私の顔を覗き込む。


「カズがどこかに行っちゃうような気がして…誕生日なのに…ごめんね。」


「バカ、そんなことあるわけないでしょ。」


カズは私のそばに来て、椅子に座る私の手を取って引っ張った。


私は彼の胸にすっぽりと収まった。


「どこにも行かないよ。ずっと一緒にいたい。」


彼が珍しくきつく私を抱きしめた。


「ごめんね、寂しい思いさせて…」カズが私をさらにギュッと抱きしめた。


「カズ?」


「なに?」


「本当は、カズの方が私より寂しがり屋だって知ってるんだから。」


「んふふ、バレてました?」

彼は恥ずかしそうに私を見つめて唇を重ねてきた。


唇を離すと「あなたも、寂しがり屋なのは俺が一番よく知ってる。」


「ふふ…」


しばらくするとマネージャーが迎えに来た。



「ごめんね、ずっと一緒にいられなくて。」


「大丈夫。カズにいっぱい愛されてるって実感出来たから。」私が笑うと彼も優しく微笑んだ。


「じゃあ、行って来るね。」


「うん。あっ、待って。ケーキついてるよ。」

そう言いながら私は彼の頬っぺにキスをした。


「あなたもね。ここ、ついてるよ」そう言って自分の唇を指さす。


「えっ?ついてる?」


私が、慌てていると彼に頭をぐっと押さえられキスをされた。


ん?私が思わず声を漏らすと、「エロいな~。」とニヤリと笑った。

「もう、カズ!!」


「ふふふ、顔真っ赤。じゃあ、行ってくるからね。」

彼は手を振ると仕事に出掛けて行った。



カズ、誕生日おめでとう。

寂しがり屋で頑張り屋のあなた。
いつまでも、私のそばにいてね。そして、このままで変わらずカズらしくいてね。


今日は、大好きな彼が生まれた日。