※2012.11.26に書いたものです。
そんな事を思いながら空の方へ顔を向けた。
眩しい太陽の光りに目を細めながら二宮は手で日差しを遮った。
太陽から視線を落とすと、トボトボと歩き出した。
太陽を見たせいで目がチカチカする。
そんな事を思いながら二宮はどこかへ向かって歩いていた。
しばらく歩くと、マンションが見えて来た。
マンションの向かい側には公園があって、広く芝生が広がっている。
彼はこの公園の芝生の上を歩くのが好きだった。
サクサクと音がする。
二宮は、フフと笑みを浮かべて公園を歩いてマンションへと向かった。
マンションの入口へと入りチャイムを鳴らす。
中へと入る入口を開けてもらうと、エレベーターに乗った。
そして、エレベーターを下りてある部屋へと向かう。
ドアの前でチャイムを鳴らすと、しばらくしてドアが開いた。
「おぅ。」
「何してた?」と二宮が聞くと、別に、と答えが返ってきた。
「入るよ」と二宮はサッと上がり込んだ。
「で?何しに来たの?」
「うん。」二宮は部屋の真ん中にあるテーブルの前に座った。
二宮は、ここへ来るまでの経緯を考えていた。
なんで、忘れちゃったんだろう?
ラジオでも、ちゃんと「明日は誕生日~」とか言ったのにさ…
しっかり覚えていて、プレゼントまで用意したのにな。
当日になり、すっかり忘れてしまっていた事に自分で自分に、腹を立てていた。
「大野さん…」
「ん?」
大野は、自分の部屋のソファーの下に座り、二宮を見つめる。
そう、ここは大野のマンションだった。
「ごめんね。」
「何?どうした?」
大野は半ば戸惑ったように目をキョロキョロさせた。
「すっかり忘れちゃって。」
二宮は、ちょっと照れたような恥ずかしいような顔をして、大野を見る。
「ん?」
「だから、誕生日。みんなにはプレゼントもらったでしょ?」
「えっ?あっ、あぁ~。もらった。」
大野は、ちょっと右上を見る。
「そうだよなぁ~、俺だけかあげてないの。」
二宮は、自分の首筋をなでながら下を見る。
「別にいいよ。忙しいからね、ニノは。」
「いやいや、忙しくはないんだけど。」
二宮は、顔の前でブンブン手を振った。
「ラジオで言ってくれてたじゃん。だからいいよ。」
「でも、おめでとうは言ってないし、ねっ?」
「ねっ?って言われてもな…」
「わざわざ来たわけですよ。」
「わざわざって…明日も会うじゃん、収録だしさ。」
「いやいや、やっぱりこういうのはさ、みんなの前じゃ恥ずかしいじゃん?」
「恥ずかしいじゃん?って…」
「まぁ、一応プレゼント渡しととく。」
「何?」
大野は、二宮を見た。
「はい!!」
二宮は、コートのポケットから小さな箱を取り出した。
「何これ?」
大野は、小さな箱を見てビックリしたように言った。
「指輪?」大野は小声で呟いた。
「大野さん、あのね、誰が男が男に指輪あげるの!?」
「そうだよね。」
と大野は、苦笑いした。
「開けてよ。」
「うん。」
大野は、小さな箱にかかった青いリボンをほどいて、箱を開けた。
箱の中は空っぽだった。
「へ?」
大野は、二宮を不思議そうに見つめた。
「まぁ、プレゼントって事で。」
「へ?空だよ?」
「そうですよ?」
二宮は、それが何か?と言いたそうな顔をして大野を見た。
「えっ?」
大野は、さらに不思議そうな顔をした。
「大野さん、見えないの?」
「えっ?裸の王様みたいな…?」
「はい?裸の王様?何が?」
「いや、裸の王様って、服が見えない?みたいな。」
「ん?見えないプレゼントって事?」
「そう。」
「まさか、見えるでしょ。」
「はっ?」
大野はさらにもっと不思議そうな顔をした。
「愛だよ。大野さん。」
二宮は、何か企んだような笑みを浮かべてその場から立ち上がった。
「じゃあね。誕生日おめでとう。」
「あ、ありがとう。」
大野は仕方なくお礼を言った。
「よく見てね。」
「あぁ。」
二宮は、そのまま玄関へ行き帰ってしまった。
大野は、二宮が帰ったあと箱をまじまじと見た。
どう見ても中身は入っていない。
大野は箱をくるくると回してみた。
あれ?
何か文字が見えた。
もう一度、くるっと箱を回すと箱の裏に何か書いてあった。
≪誕生日おめでとう。リーダーが大野さんで良かった。いつまでも5人でやっていこう。リーダー大好きだよ。≫
「なんだよ、これ?」
大野は、苦笑いしながら箱を見つめた。
これじゃ飾れないじゃん。
この箱、捨てられないな…
大野は鼻の下を手でこすった。
アハ、なんだかおかしくなって笑った。
ニノのやつ。
二宮は、両手をコートのポケットに入れて歩いていた。
フフ、リーダーわかったかな。
二宮は、空を見上げてニヤッと笑った。
次は、相葉さんだな、
その次は…翔ちゃんか
二宮は空から視線を落とすと、再び歩き出した。
愛だよ。
やっぱり、5人一緒がいい。
そんな事を思いながら二宮は、帰り道をゆっくり歩いて行った。