※この作品は実在の人名が登場

 しますがあくまでも個人の妄想

 で、完全フィクションです❕

 またBL(ボーイズラブ)要素を含み

 ますのでご理解頂ける方のみ

 お読み下さい❕❕🙏❌

 ご理解頂けない方、

 BLの意味が判らない方はこの

 ままお戻り下さい🙇💦💦

また、こちらに初めていらした方は最初にこの

ページをお読み頂き、納得されたうえで『自己

責任』で読み進めてください🙅 


※今回の作品は『問題定義』として続編、シチュエーション

  など読者様に委ねたいと思って実験的に書きました。

  「翔ちゃん右」は変わらないですが、この作品が続くも終

  わるも、翔ちゃんダーリンが変わるも、はたまたもっと複

  雑になるも、読者様に委ねようかと考えております✏️

  普段とは全く別なアプローチの『実験的作品』ですが、そ

 れら込みでお楽しみ頂ければ幸いです🙏



『副題:“誰軸”の幸せを優先するのが一番の“幸”か』

「翔ちゃん……あなた本当に相葉さんの事、
  “好き”、だよね……??」
楽屋で敢えて2人きりになった時、俺はゲー
ムから視線を外し、翔ちゃんをジィーッと見
つめる。
翔ちゃんが弱いって知ってる、雨に濡れた、
捨てられたワンコの様な潤んだ上目遣いで。
無防備に新聞を読みながら、機械的にコーヒ
ーを流し込んでいた翔ちゃんは、まさか俺の
口からそんな言葉が出るなんて思っていなか
ったから、大きな瞳を益々大きく見開くのと
同時にブフォッと盛大にソレを吹き出し、激
しく噎せ返る。
俺の言葉がこんな惨事を呼んだんだから「あ
らあら」と翔ちゃんの背中を優しく擦り、手
早く抜き取ったティッシュを数枚渡してやっ
た。
「な、何、ッ、ゲホッ、ゴッホゴホ、ゲフッ、
  ゴホッ。」
「あぁ、ハイハイ、ゴメンね、翔ちゃん。想
  定外の事態にてんで弱いあなたのタイミング
 掴み損なった俺が悪かったね。大丈夫??
俺の掌には収まりきらない、けれどやはり華
奢な背中が激しく上下するのを軽く叩いて落
ち着かせると。
「クハァ、っ痛ェ~、コーヒー鼻から吹いた
  わ。で、急に何言ってんの!?二ノ??俺は別に
  相葉ちゃんだけでなく、ニノちゃんは勿論、
  松潤も、智くんも、みんな平等に好きだって。
  そんなん、当たり前じゃん!?」
ひとしきり噎せ込んだ翔ちゃんは俺が差し出
したティッシュで男らしく鼻をかむ。
自分では上手く誤魔化せていると信じて疑わ
ない、今だ涙目の翔ちゃんの瞳はけれどハッ
キリ泳いでいて俺と視線を合わせる事なく、
嘘臭い空笑いまでしてみせる。

……ホント、この業界にこれだけ長くいて、こ
こまで嘘吐けない素直過ぎる人、ホント珍しい
ね。絶滅危惧種並みで完全“保護対象”だわ
……

翔ちゃんの使用済みテッシュを何でもない様
にその手から取り上げ、利き手でゴミ箱に放
り投げる。
もう片方の手はその背を撫で続けたまま。
「うぉっ、ナイッシュ~、流石元野球少年!!」
翔ちゃんが大袈裟に俺を褒め称えるのも話を
逸らしたいからだと分かっている俺は
「これで話、逸らす気、ないかんね!?」
逃げられるより先に釘を刺した。
「な、何で急にそんな話になんの??」
翔ちゃんが不服そうに細い頬を若干膨らませ、
訝そうに眉根を寄せる。
別に俺だって翔ちゃんを怒らせたり、からか
ったり、追い詰めたい訳じゃないんだけどさ。
「いや……結構ネタっぽくしてるケドさ。で
  も翔ちゃん、あなた、気付いてないだろケド、
  相葉さんに歌番で告白、断られる度に結構
  顔に出てんのよ、僕、今、傷付きました~
  ……って。」
それはきっとお茶の間には分からない。
勿論相葉さん本人やメンバーにも。
だって本当に些細な表情の変化や声の強張り
ら。

……でも……俺には分かっちゃうのよ。

「……うっそ……。」
心当たりあるのか図星を突かれたといった翔
ゃんの顔からはサッと血の気が引き、急に
真顔になって大きな瞳をますますおっきくし
て俺を覗き込んでくる。
ホント、コロコロ変わる表情が俺的には見て
て飽きない。
それが例え相葉さん関係だったとしても。
「うん、嘘。」
「何だよ、嘘かよっ!?」
俺がおちょくる様に口角を上げて笑って即答
ると翔ちゃんは即ツッコミ役に自身を切り
替えて俺に軽くパンチしてきた。
キリッとした眉を吊り上げ、ムスくれた様に
を尖らせて。
「ハハッ、いえ、確かにお茶の間の皆様には
  バレないレベルですけど、俺には分かっちゃ
  ったんですよ。常に見てきてたんだから、そ
  れは仕方ないじゃない!?」
パンチしてきた翔ちゃんの細い手首を怯えさ
ない様に優しく掴む。
「え、っ……。」
「だって、さ……誰よりも“翔ちゃん”を見てる、
  “翔ちゃん”を見てきた俺にはには分っちゃっ
  たんだもん、仕方ないじゃん!?」
翔ちゃんの手首がピクリと反応する。
俺の握力でさえ今の翔ちゃんなら捕まえてら
れるなんて。
それはつまり『図星』って事、だよね……。
俺は翔ちゃんに本人さえ自覚していない“本心”
を伝えてやる。
「翔ちゃん……結構“本気”で相葉さんの事、好
  きだって自覚、あるよね!?」
「!?な、何で急にそんな……べ、別にニノには
  関係ねぇじゃん……。」
さっきまで強気だった瞳はまた途端にビクつ
いて、視線を彷徨わせながら俯く。
まるで小動物の様な反応に苦笑してしまう。
だから、その反応が素直だって言ってんのよ。
「関係はないけどね、気にはなるのよ。だっ
  て仕方ないじゃん。で、翔ちゃんは相葉さん
  の事、抱きたい、とか思ってんの??」
「ブッ!!だっ、抱きっっ!??んな訳、あるかぁ
  っっっ!!」
俺の言葉に途端に真っ赤になって想像もして
いなかった、とでも言いた気に首をブブブブ
ンと高速で横に振る翔ちゃん。
「だって、好きなんでしょ!?なら、男として
  Hしたい、とか思うのは普通じゃないの!?」
「やっ、そ、そんなん考えた事もねぇわっ!!
  そこは不定期に週刊誌賑わせてる“肉食ニノ”
  と一緒にすんなや!!」
「肉食なんて人聞き悪い、俺は”その時の俺
  の心”に忠実なだけよ。」
「お前の場合”心”じゃなくて”欲望”だろぉが
  っ!?」
「まぁ、否定しないけどさぁ。俺の場合、あ
  くまでも合意よ!?で、翔ちゃんの方はどぉな
  のよ??」
「ど、どぉも何もねぇしっ!!……別にどうなり
  たいとかじゃねぇもん……。ただ普通に、相
  葉ちゃんとはノリも合うし、一緒にいて楽
  しいし、俺より全然器用だし、背も高いし、
  恰好イイじゃん!?そ、そんだけだからっ!!」
いや、そんだけ条件揃ってたら惚れる要因と
しては十分でしょうよ!?
驚いたり、不機嫌になったり、狼狽えたり、
怯えたり……ホント、1人百面相だよね。
今はオロオロしながら若干潤んだ瞳をキラ
キラさせ、ツンと上向いたチェリーピンク
のアヒル口で、色白な頬をはにかみながら
赤く染め、俯いてボソボソと呟いている、
その姿は。
誰がどう見ても「恋する乙女」のソレでし
かなく。
頼むから余所でそんな表情は見せてくれる
な、と、俺は困った様にまた苦笑するしか
なかった。

俺以外の奴らにそんな可愛い顔、見せない
でよ!?

こんな表情しておいて、何もないって方が
ありえないわ、マジで。
「ふぅん、翔ちゃんが相葉さんを抱きたい
 って事じゃないんなら……相葉さんになら抱
  かれてもイイって事!?」
「えっ!?えっっ!??だ、だから何でそ~なんだ
  よっ!!」
「いや、だってどこからど~見ても”恋する乙
  女”な顔してて、何でもないなんて言ってる
  方がありえないし。翔ちゃんが相葉さんを抱
 く対象として見てないって事は、じゃあ相葉
  さんと両想いになって、あなた、相葉さんに
  抱かれる覚悟はあるの??……って話。」
ここまで表情と態度に出しておきながらも尚、
今だ頑なに自分の恋情を認めようとしない翔
ちゃんを追い詰めていく。
だって、翔ちゃんがまず相葉さんへの想いを
認めてくれなきゃこの後の話に続ける事が出
来ないからさ。
「そ、それこそ、そんなんニノに関係ねぇじ
  ゃん。」
「関係あるから聞いてんだろ!?」
「えっ??」
反射的に声を荒げる俺にビクリと震えた翔ち
ゃんの手首から、今度は手を握り直し、掌が
重なる様に指を絡める。
「翔ちゃん……。」
まずは握り締めた手に恭しく口付け。
拒否られないのをいい事に今度は髪をかき分
け、丸みのあるおでこに口付ける。
俺がこんな行動に出るとは思っていなかった
らしい翔ちゃんはビックリし過ぎて言葉を失
ってる。
っていうか呼吸すらしてない……息くらいしな
さいよ。(苦笑)
大きい瞳が、もぉ零れそうなくらい見開かれ
て呼吸、止まってるよ!?っておかしくなって。
フフッと笑ってそのまま頬を包み、指先で遊
び毛をかき分けて耳を擽る。
そのままゆっくりと俺は瞼、鼻、頬へとキス
する唇を移動させた。

「俺、あなたが好きなんですよ、翔ちゃん……。」

台詞でもこんな情熱的に告白した事はない。
どこからこんな熱が生まれるのか。
愛おしさが胸を焦がす。

丸い、柔らかなこどもみたいってからかわれ
る俺の指が、痩せた頬を優しく撫で擦ってい
る光景を何処か俯瞰した感情で見つめる自分
がいた。
「えっ、あ、ニ、ニノ……ヘッ!?」
今だ信じられないと見開く瞳にフフッと笑
いかけて。
俺はそのままふっくらした、今は少しツン
と上向いている唇にチュッと音を立てて吸
い付いていた。
「俺はね、ずっと、ずぅ~っと翔ちゃんを
  見てたの。あなたを好きだったの。だって
  俺は一途にずっと翔ちゃん一筋に推し続け
  てたじゃん。あれ、嘘とか洒落とかノリと
  か慰めだと思ってたの!?」
ビックリし過ぎて固まっている翔ちゃんを
いい事に、俺は丸いパーツで整えられた可
愛らしい顔中に優しいKissの雨を降らせる。
「え、や、その……嘘って言うか……ニノ、
  ほ、本気!?」
大きな瞳を益々大きくして、またまた追い
詰められた小動物全開のオロオロした様子
で開口一番発した翔の台詞に、せっかく甘
い雰囲気に酔っていた俺も流石に吹き出し
た。
「プッハハッ、何よ。何で俺、嘘で翔ちゃ
  んに告白しなきゃいけないのよ!?」
「だって、ニノ、普通にモテんじゃん。」
俺の真意を推し量りかねて、俯き加減な翔
ちゃんが恐る恐る上目遣い確認してくる。
「まぁ否定はしないけど……俺の“本命”はあ
  なたよ、翔ちゃん。」
「嘘……。」
呆然と吐き出す翔ちゃんに笑って返す。
「嘘とか失礼ね、何で本命相手に告ってん
  のに嘘つき呼ばわりされてんのよ!?俺。」
「だ、だ、だって信じらんねぇんだもん。
  ニノ、モテるし。噂だって結構絶えない
  し。そんな二ノに、まさか告られるなん
  て思ってもなかったし……っ。」
所在なさ気に小さくなっていく翔ちゃん
の今の体は、俺の細い腕でもすっぽりと
抱きしめられるくらい儚い。
「だってあなた、番組で俺にプロポーズ
  したじゃん!?旦那にしたい、って。俺、
  結構真に受けてたのに、その言葉、嘘だ
  った訳!?」
「嘘とかじゃなくて……あ、あれは普通に
 イイ旦那になるって思ったから……。」
「でしょ!?俺、惚れた相手には一途だし、
  たぶんイイ旦那になるよ。俺は翔ちゃん
  からのプロポーズの返事、結構マジな気
  持ちでOKしてたんだけど!?」
「あ、えっと……。」
翔ちゃんの弱点を突く様に、俺は潤ませた
瞳を子犬の様なあどけなさを纏って、真っ
直ぐ見据えた。
案の定翔ちゃんは言葉に詰まる。
過去の番組で本当に軽いノリで「ニノはイ
イ旦那になりそう。」と評し「俺と結婚し
てくれ!!」と告白してきた翔ちゃん。
翔ちゃんが軽い、その場のノリで言ってい
る事は理解していたけど、俺の返した「結
婚しちゃう!?もぅ。」は確かに仄かな期待
を乗せていた……というか、こういう場面が
来た際の『既成事実』の1つとなる保険と
して返したものだったりもして。
翔ちゃんがキュッと唇を噛み、困った様に
眉毛をハの字に寄せる。
翔ちゃんとしては“バーベキュー最中特有の
高揚感”と“番組的ノリ”で軽く紡いだはずの
台詞。
絶対的にそこまで深い意味合いは持ってい
なかった。
でも変な所で素直で誠実な翔ちゃんなら、
絶対この発言が俺に対してひどく不誠実な
対応だったか、って悩んじゃうよね!?

……知ってる……

「あぁ、翔ちゃん、そんな重く受け取らな
  いで。あれは番組のノリだって事くらい分
  かってるから。でも、俺だって気のない相
  手に軽々しくOKはしません、って事よ。」
「ニノ…………。」
「翔ちゃんが俺の事、そんな目で見てなかっ
  たって事も、まだ相葉さんに惹かれてるっ
  て事も、まだ心が残ってるって事も分かっ
  てるけど。ただ、俺は相葉さんを気になっ
  てる翔ちゃんを、もう好きになっちゃって
  るんだもん。だから、翔ちゃんの気持ちが
  俺に向いてくれるの、待つから、試しに俺
  と付き合ってみませんか!?って話。」
「え、でも、ニノ、それって……。」
お前に悪くない!?、翔ちゃんがそう言う前に、
俺はこれ以上何も言わせない、と、その甘美
な唇を塞いだ。
ずっと焦がれて、惹かれて、手が出せなかっ
たソレ。
何度か唇を啄み、唇の角度を変えて翔ちゃん
の様子を探りながら口付けを与えて。
目立った抵抗も見せず、トロンと瞳を潤ませ
た翔ちゃんが弱々しく俺の服を握り締めたの
を合図に、隙間なく唇を重ね、遠慮なく舌を
絡める。
「ん、ふ……ん、っ……。」
翔ちゃんがヌルリと滑る舌の感触に驚いて
ギュウッと目を瞑って、俺の服の裾を益々キ
ュゥッと掴んでくる。
けれど深いキスは受け入れてくれたまま。
上手く呼吸が出来ていない翔ちゃんが苦し
うにしているのを見かねてようやく、俺
は未練がましく口付けをほどいた。
けれど唇は触れ合わせたまま。
「翔ちゃん……イイの!?嫌ならここで振りほ
  どいてくれなきゃ、俺、これ以上進んじゃ
  うよ!?何時か……翔ちゃんのこと、抱いちゃ
  うよ……??」
唇を触れ合わせたまま翔ちゃんの瞳を覗き
込んで囁く。
だ、抱く、って……。」
翔ちゃんが驚いて体をビクリと跳ねさせて
また瞳を丸くする。
「そう、俺が翔ちゃんを抱いちゃうの。だ
  って……俺は翔ちゃんをそ~ゆ~目で見て
  るから。でも、翔ちゃん、れっきとした男
  の子だし、男らしさにこだわってるじゃん!?
  だから、嫌だったら、今、この場で俺を突
  き飛ばして。これ以上俺の気持ちにブレー
  キが効かなくなる前に……。」
「も、もし……突き飛ばしたら……ニノは……
  二ノと俺はどぅなんの……??」
唇を触れ合わせたまま、視線を絡ませて睦言
の様に囁き合う。
「ん~、どぉだろうね。でも……今みたくは気
   軽に翔ちゃんには触れられないかもね。何せ
  告っちゃったから。」
その言葉にまた翔ちゃんがピクリ、と震える。
何度か男の割に滑らかな喉が上下するのが分
かって。
その後……
「……それは……ヤダ、かも……。」
翔ちゃんが恐る恐る……掠れた声音で呟く。
「じゃあ、”俺の気持ち”受け入れてくれんの!?」
翔ちゃんはむしろ怖いくらい透明な瞳で、じ
ぃっと俺を見つめていた。
その澄んだ瞳は真っ直ぐ過ぎて、まるで吸い
込まれそう……。
「俺、まだニノが想ってくれてるみたいな感
  情でニノの事、想えてないケド……それでも
  イイの……!?」
想定外の返事に俺は翔ちゃんの頬を両手で包
み込んだ。
「さっきも言ったじゃん。”今の翔ちゃん”を
  好きになったんだ、って。何時か俺の事、好
  きになってくれれば嬉しいけどね。……って、
  いずれは惚れさせるけど。(笑)」
「フフッ、何ソレ、すげぇ自信。(笑)」
「だって翔ちゃんみたいなハードル高い相手
  に告ってんだよ!?その時点でそれなりの自信
  なくちゃ告れないでしょ。」
キッパリ言い切った俺の瞳の真実を見抜いて
欲しい。
だって俺、何時もの本音を隠す様な、掴みど
ころのないソレじゃあない、でしょう!?
翔ちゃんはそんな俺の心を理解してくれた様
に数回瞬きした後、改めて瞳を閉じて自分か
ら俺に辿々しく口付けを返してくれて。
「ニノ……”今の俺”の心ごとごと受け止めてく
  れて……ありがとう……。」
はにかみながらもキッパリとそう言う翔ちゃ
んの瞳はもう揺らいではいなかった。
「ううん、こっちこそ……俺の気持ち、受け入
  れてくれてありがと。」
俺は腕の中に収まってくれている翔ちゃんを
力強く抱き寄せると、恭しく、改めて”恋人の
口付け”を贈った。

「翔ちゃん、好き……大好きだよ……。」

【~第1話完~】