👩「喋ってほしいんです」
2年前、
ルカノアに来られたとき、A君は無発語でした。
お母さんは、少し迷いながら、でもまっすぐに言いました。
👩「喋ってほしいんです。この子が、何を思っているのか知りたいんです。」
その言葉の奥にあったのは、
“言葉”そのものではなく、
わが子とつながりたい
心の中を知りたい
という、切実な願いでした。
私は、ゆっくりお伝えしました。
😎「ABA=喋る。ではありません。」
言葉が出ることがゴールではありません。
大切なのは、
その子が
「伝わった」
「わかってもらえた」
言葉以外でも伝わること
最初は、マッチングに動作模倣指
次は、音声指示、受容
視線が合う時間も増えました。
マッチング:りんごとりんごを合わせる
動作模倣:まねっこ
音声指示:「バイバイ」と言ったら、子どもが手をふる
受容:「バナナどれ?」と聞いたら、バナナを指さす
小さな「伝わった」が積み重なったある日。
その子が、ぽつりと声を出しました。
「ママ」
その一言に、
お母さんもスタッフも感動しました。
でも、本当に感動した理由は
“喋ったから”ではありません。
この子は、ちゃんと伝えようとしている
そして、私たちに届いた
その瞬間を感じられたからです。
ABAは、魔法ではありません。
けれど、
“心が届く瞬間”を、
一つずつ増やしていく支援です。
私たちが育てたいのは、
発語ではなく、
つながる力(コミュニケーション)
そしてその力は、
必ず、A君の未来を広げていきます。
現在、ABAの中でも「ロバース法」は古いと言われることがあります。
確かに、1960年代(スキナー)から体系化された歴史ある方法です。
そして今は、PRT、自然主義的発達行動介入(NDBI)など、発達の流れを大切にしながら日常の中で学ぶスタイルが主流になりつつあります。
時代は進み、支援も進化しています。
でも
親御さんにとっては、
ロバース法か
NDBIか
DTTか
PRTか
そんな名前は、正直どうでもいいのです。
「どっちでもいいから、喋ってほしい」
それが、胸の奥の本音です。
周りの子が自然に話し始める中で、
わが子の沈黙に向き合う時間。
名前よりも理論よりも、
ただ一言
「ママ」
「これ」
「いや」
その声が聞きたい。
ABAは「喋らせる技術」ではありません。
行動の原理を使って、「伝わる経験」を積み重ねる科学です。
ロバース法が土台を築き、
PRT・NDBIが自然な形へと広げている。
古い・新しいではなく、
必要なのは、その子に合った方法を丁寧に選び、組み合わせること。
流行で選ぶのではなく、
結果で語る。
そして何より、
子どもが「伝わった」と感じる瞬間を増やすこと。
方法論の議論の先にいるのは、
今日もわが子の声を待っている親御さんです。
子どもに合うABAなら、新しい古いに関係無く
ルカノアは取り入れます。![]()

