今回は先手矢倉に対する急戦策を1つ紹介したいと思います



初手から以下
▲76歩△84歩▲68銀△34歩
▲77銀△85歩▲78金△74歩
▲56歩△73桂

5手目▲77銀では▲66歩が多数派でしたが、以前ブログでも紹介した左美濃急戦を警戒する意味で本譜も復調傾向にあります

▲78金で▲48銀は
△86歩▲同歩▲同飛の強襲があります
これは次の一手として昔からある筋です

そして△74歩~73桂が今回の急戦の骨子
次に△65桂を狙う、ただこれだけなのですが結構有力です
これを対矢倉版のポンポン桂と名付けておくことにします
Apery(浮かむ瀬)が評価を高く示すのでApery流と呼んでもいいかもしれません

上図を今回は基本図とします

ここから▲79角が後手としては最もよくなる変化となります
▲79角以下
△86歩▲同歩△65桂▲66銀
△86飛▲87歩△76飛▲68玉
△66飛▲同歩△同角▲77桂
△76銀▲65桂△99角成▲88桂
△65銀
で後手良し

左金にヒモがついてないのが先手としては痛いところ

▲68玉で69玉は、△66角~77銀と今度は角切りの強襲が成立します

本譜は飛車を切って角道が受けにくいことを主張
▲77桂で88角と角をぶつけるのは、交換して再度△66角などと角を打っておいて悪くないでしょう

下図は次に△75香などが厳しく後手良しでしょう



先ほどの手順の途中、▲66銀に代えて▲88銀とした変化を今度はみていきましょう

▲88銀以下
△86飛▲87銀△99角成▲86銀
△89馬▲88飛△78馬▲同飛
△87金▲58飛△86金
で後手良し

△86飛に対して▲87歩は
△76飛▲69玉△56飛
と無条件で歩を2枚得して、これはハッキリ後手いいでしょう

△99角成では87飛成も有力です
ここは好みで選んでも構わないと思います

▲88飛に対して△同馬は▲同角で先手の角が働いてくるのであまり良くないでしょう

△86金まで進めば、先手の飛車を自然と攻めれば手ができるので後手が良さそうです



基本図に戻って、今度は▲58金の変化をみていきましょう

▲58金以下
△65桂▲66銀△86歩▲同歩
△同飛▲87歩△76飛▲69玉
△86歩▲55歩△78飛成▲同玉
△87歩成▲同玉△86歩
で後手やや良し

先に△86歩と突き捨てるのは今度は▲同銀の変化が生じるので桂跳ねからやります

△86歩と再度歩を合わせるのが好手
▲同歩なら△87歩▲同金△66角が好手順となります

上図以下
▲78玉なら
△87金▲79玉△88金▲同玉
△69角
▲86同玉なら
△78金
で後手のペースと言えるでしょう


後手としては途中▲66銀で68銀とされる手も気になります
形として指しにくい手ではありますが、咎めるとなると結構難しいです

▲68銀以下
△88角成▲同金△86歩▲同歩
△同飛▲87歩△76飛▲77桂
△22角▲55角△同角▲同歩
△95角▲66角
でいい勝負

基本的に後手の攻め筋は変わりません

▲77桂が頑張った受けで、ここで今までのように69玉では△56飛くらいで後手満足でしょう

△22角~95角が手順を尽くした攻め
単に95角では後に▲55角と打たれる変化が生じそうです

▲66角とした局面はいい勝負
後手は△66同飛~77桂成、または77桂成が有力です



もう一度基本図に戻り、今度は▲69玉とした変化をみてみましょう
この手は左金に事前にヒモをつけた意味があり、最も有力かもしれません

▲69玉以下
△65桂▲66銀△86歩▲同歩
△同飛▲87歩△76飛▲65銀
△78飛成▲同玉△68金▲同玉
△88角成
で後手面白い

左金にヒモがいるので▲65銀が成立しそう
しかし今度は中央のききが少ないので▲78飛成~68金があります

▲88角成とした局面は後手が馬を作り、先手陣は右辺が一時的ですが壁形なので後手が指しやすそうです


▲65銀は前述した通り良くなさそうですが、▲55歩が有力です
そして後手も△64歩と桂を支えるくらいで下図

後手は一歩得はしていますが飛車の位置があまり良くないのでリードしているとは言えなさそう
つまりはこれからの将棋だと思います



ここまでの変化が先手を持って嫌なら▲66歩と突くことになるでしょう

しかしこうなると左美濃急戦を気をつけなければなりません

ポンポン桂と左美濃急戦、どちらかの対策がないと先手矢倉はやりにくいと思います



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