智潤のお話です。ケーキバースです。

智編とは180度違うシリアス一直線ッ!

前回の話とは繋がってませーん

今回はちゃんと(?)カニバリズム要素あるんでマジ気をつけてねっ!!

(つっても癖の人も盛大に肩透かし食らうと思う。メンゴ★)

 

 

 

 

 

 Sweet×Sweet

 

 

 

 

 

 

世界には『フォーク』と『ケーキ』っていう人種が存在する

 

 

ある日突然味覚を失って生きる事になる ”フォーク”

 

そのフォークが唯一美味しく食べられる”ケーキ”

 

 

ケーキにはフォークにしか感じられない甘い匂いがあるらしい

それが原因で子供の頃に食われかけて

おれは自分が”ケーキ”だって知った

 

いつフォークに食われるかもわかんねぇ窮屈な世界だけど

今は自分がケーキだった事に感謝してる

 

 

 

 

「潤?いるか?」

 

 

 

パチッと点けた電気

 

真っ白い光は眩しすぎるって言われて

白熱球みてぇなあったかな淡いオレンジで部屋が浮かび上がる

 

 

けど肝心の潤はいない

 

 

 

「靴はあるからいるはずなんだけどなぁ~」

 

 

 

ポソポソ喋りながら

靴の脱ぎ捨てられてた玄関を振り返る

 

 

思い出すのは昼間、不自然に掛かってきた電話のことだ

 

おれが仕事の時には気を遣って掛けて来ないのに

今日は撮影中に着信が入ってた

 

 

そんな日には部屋に籠ってるもんなんだけど・・

 

いねぇな

 

 

リビングにもキッチンにも気配がない

料理してた跡はあった

 

半端に煮込まれてた鍋

切ったままボウルに放置されてる野菜

使いやすいように必要な分だけ揃えられた調味料

 

今の今までそこに居たってわかるキッチンだった

ちょっとトイレにでも行ってんのかなってレベルの

 

でも煮込まれてただろう鍋はすっかり冷えて

出しっぱなしの野菜は乾いてた

 

潤の性格を考えれば尋常じゃない状況

 

 

ごく稀に、こういう事が起きる

 

 

さて、あと探してないのは・・

 

 

 

 

「潤?開けるぞ?」

 

 

 

 

・・あれ?

 

 

 

最後に開けたおれの部屋

あとはここしかないと思ってたんだけど、いねぇ

 

 

・・カタン

 

 

 

「潤?」

 

 

 

立ち尽くしてたおれの耳を打った微かな音を頼りに

備え付けられてるクローゼットを開けると

おれの服に埋もれるようにして潤が蹲っていた

 

 

おれの匂いは落ち着くから好きって言ってたっけ

でも今は逆効果じゃね?

 

 

そっとしゃがんでもう一度名前を呼びながら肩に触れたら

ビクッ!と大げさに体が跳ねて、ますます顔が膝に押し付けられる

 

 

 

「ただいま、潤」

 

「・・・・・おか、えり」

 

「ん。ちゅーしてぇから出てきてくんない?」

 

「・・・・・・・ううん」

 

「だいじょうぶだよ」

 

「・・・・ダメ」

 

「やだ」

 

「ダメ・・っだめ、やだ・・っはなれてぇ・・っ」

 

「やぁだ」

 

 

 

 

濡れてぐしゃぐしゃな声がヤダヤダってする

 

でも体は正直だ

肩に置いたままのおれの手をちゃんと掴んでんだから

 

 

おれを食べちまいそうで怖いんだよな?

体がガクガク震えてんのは

そういう衝動を抑えるのに必死になってくれてんだよな

 

 

おれを掴む潤の手首にくっきりとした歯型がついてる

 

肉を裂いて血を啜って

おれを髪の毛いっぽん残さず食べてしまいたい

 

そういう衝動を自分を噛む事で我慢する癖がすっかりついちまった潤

 

 

優しいお前がフォークだなんて

なんて残酷なんだろう

 

 

食べたくないのに食べたい

 

 

矛盾する心がこうしてあべこべな行動に現れる

 

 

 

「潤」

 

「・・ぅう・・っ・・う、ひぅ・・っひ、っく・・っ」

 

「他のケーキに会った?」

 

「ッ、うぅっ・・ッ」

 

「買い物行ってくれたんだろ?」

 

「・・・・・さとし、シチュー、つくろう、とっ」

 

「うん、ルーがなかった?」

 

「・・・・・・ぅっ・・リクエスト、だったから、だから・・ッ」

 

「頑張ってくれたんか。あんがと」

 

 

 

おれから逃げる様に体を縮こませるから

引っ張られて小さくなった潤に覆いかぶさる事になった

 

おれの体が密着して

耳元で潤の息が詰まる音がする

 

 

チュッと噛み痕にキスして舐めたら

届く呼吸が荒くなった

 

 

 

「はなれて、はなしてッ・・っやだ・・やだっ・・たべたくない・・っ!」

 

「いいんだよ食べても。だからちゅーしよ」

 

「やだぁっ」

 

「おれさぁ、思うにそうやって我慢しちまうから爆発した時の衝動が強くて怖くなると思うんだよね」

 

「・・・ひぅ・・っ・・なに・・?」

 

「何度こうなっても控え目におれの指ペロペロするだけでさ、満足できなくない?」

 

「・・それはっ、だってっ」

 

「わかってるよ、おれの為なのは。でもおれはもうずっと満足できてねぇんだよね。嚙み千切られてもいいからベロチューしたい」

 

「べっ・・/////」

 

「ふはっ、やぁっと顔上げた」

 

 

 

泣いて潤んだ目と耳まで真っ赤に染まった顔

幼い泣き顔なのに口元にほくろがあるってだけでセクシーでヤバくない?

 

いつまでも見つめていたい愛しい顔を両手で包む

 

 

 

「おれを食べてもいいけど、おれにもお前食わせろ」

 

「・・さとしもフォークになったの?」

 

「それじゃお前がおれ食べる意味ねぇじゃん」

 

「・・あ・・そっか」

 

 

 

泣きすぎて頭ぽやぽやしてんのかな?

ぐしぐし猫手で涙を拭う仕草が可愛い

 

今すぐ食べてしまいたいくらいには

 

 

おいでと手を引いてクローゼットから連れ出す

纏わりついたおれの服が潤が歩く軌跡に落ちるのを気にせずにベッドに座らせた

 

 

 

「約束しようぜ」

 

「・・やくそく?」

 

「うん。てか合図っていうか、決まり事?みたいな?」

 

「なにそれ」

 

「潤がどうしてもおれを食べたくなったら”抱いて”って強請って」

 

「だ、っハァっ!?」

 

「ぅお!うるさっ」

 

 

 

そんなビックリするほど変な事言った?

 

至近距離で叫んだ潤からすっかり涙が消える

 

 

 

「そしたらココにいっぱい食わしてやっから」

 

「ンっ、ふっ・・っ////」

 

 

 

スルッと腹を押してチュッと耳にキスすると

信じられない!って顔をして睨まれた

 

 

 

「なにエロ親父みたいな事言ってんだよ!」

 

「えー?名案じゃね?」

 

「絶対違うっ!」

 

「食欲と性欲って比例してるっていうからさ?コッチ満たしたら満腹んなって衝動もきっと治まるよ」

 

「マジで言ってる?」

 

「大マジだ」

 

「・・・・・・」

 

 

 

さっきまでの雰囲気が霧散して

潤が「はぁ」て深いため息を吐いた

 

 

・・よかった、調子ちょっと戻ったみてぇ

 

 

だとしてもおれは本気なんで

 

 

 

「ま、試してみようぜ」

 

「は?」

 

 

 

「え、いま・・えっ今!?」ってビックリしてる潤を

押し倒して組み敷く

 

 

 

「だってまだおれを”食いたい”って顔に書いてあるし」

 

「っ/////」

 

「ちゃんと味わって飲めよ」

 

「んァッ///ん、んっ」

 

 

 

くちゅくちゅ

唾液を垂らして飲ませればすぐにとろんとして

ひな鳥のようにもっとと口を開けて吸い付いて

 

ほら、もう夢中になってる

 

 

潤の腕が首に回されるのを感じながら下肢に手を伸ばす

 

噛んだらオシオキしてやろうと

潤のように慎ましやかな窄まりにツプリと指を挿入れた

 

 

 

だいじょうぶだよ、潤

 

自分を責めなくていいよ

 

 

いつか伝わるといい

お前を満足させられるケーキに生まれてよかったって、思ってること

 

 

 

 

(おわり)