翔にの♀️のお話です。 secondってなってるけど前回のとは続いてません!

女体化苦手な方は回れ右~

翔ちゃんお誕生日おめでと~う♪

 

 

 

 

HAPPY BIRTHDAY (S)

 

 

 

 

 

"おやすみー"

 

 

って

 

それだけかよ

 

 

 

チカチカ光る着信に踊った心が萎む

 

ベッドに体を投げ出して

ついでにスマホも放り投げた

 

 

 

いや、いいんですけどね

 

全然

 

 

全く待ってなんかなかったし

 

 

ちょっとビールの量制限してみたりとか

風呂に入る時間を早めてみたりとか

いつもより丁寧に髪整えてみたりとか

(もう寝るだけなのにな)

 

最愛の恋人の目に写る自分は

いつだってその時最高にカッコイイ俺で

 

って

ちょっと構えちゃいたけどさ

 

 

それは

いつ何時

恋人のニノに会ってもいいようにしてるからで

 

 

今日もいつものルーティンこなしただけだし

 

だから待ってなんて無かったんだけど

 

 

なかったけどさぁ~

 

 

 

「俺誕生日なんですけどー?」

 

 

 

元々今日は会えないって分かってた

 

社会人だし

仕事あるし

毎年うまい具合に調整なんて出来やしない

 

ニノから申し訳なさそうに

「ごめんね」

って言われたらそりゃ「いいよ!」って言っちゃうだろ?

 

あんな捨てられた子犬みたいな目で

うるうるしててさ

 

グッときたからその場で食べた

 

 

だからって当日さ~

おめでとう無しで「おやすみ」だけはなくね~かな~

 

 

 

「俺から電話かけてもいいよな」

 

 

 

メッセージが来るって事は休憩中のはず

 

今回

ニノがレコーディングしてる曲は映画の主題歌になったんだけど

その映画で声優もやるってんだからマジですげぇ

 

応援してる手前、気軽に会いたいとか言えないよなぁ

 

でも電話くらいよくねぇ?

俺誕生日だぞ

 

 

 

「よしっ!」

 

 

 

放り投げたスマホをタップしてアイコンを呼び出す

 

軽快な音楽が流れて間もなく待ち望んだ声がした

 

 

 

「っニノ?」

 

「なぁに翔ちゃん、電話なんてさ」

 

「いや、声聴きたくてさ」

 

「ふふ、なにそれ」

 

 

 

あ~っ!

ニノだ~

ニノの優しい声・・

 

やっぱ最高

癒される

 

 

 

「メッセージ見て」

 

「ああ、うん」

 

「仕事終わってるのか?」

 

「まだ。でも翔やん寝るとこでしょ?」

 

「そうだけど・・」

 

「丁度送れるなぁって思ったから。ふふ、これなら電話で良かったね」

 

 

 

心地良い声がくすくす笑う

 

可愛い可愛い会いたい

 

なんで誕生日に会えないんだよフザケンナ

 

 

 

「いつ終わる?」

 

「いつだろ~」

 

「そんな分かんないもんなの?声の収録って」

 

「ん~、まぁね、そうなんだよね」

 

「まぁ初めての現場だもんな」

 

「ふふ、そうね」

 

 

 

迎えに行ったらだめかな

 

声聴いたら我慢出来なくなってきたんだけど

これもう会わないでいるの無理なんだけど

 

 

 

「あ、そろそろかな」

 

「戻んの?」

 

「うん」

 

「そっち行っていい?」

 

「へっ?え、だめ!」

 

「え?」

 

「あ、いや、翔ちゃんはもう寝よ!じゃあね!」

 

「ちょっ、ニノ!?」

 

 

 

プツって切れた画面には可愛いニノの写真が写る

プラネタリウムにデートに行った日カフェでとった可愛い一枚

 

それを眺めながら頭をグルグルするのは慌てたようなニノの声

 

まさか、そんな、

考えたくないけど・・浮気?

 

 

いやいや

単に仕事がおしてたとか呼ばれたとかあるかもだし

 

・・・でも

俺に現場に来て欲しくない理由なんて、それしかなくないか・・?

 

 

今まで断られた事なんて一度もないんだから

 

 

まさか今日仕事ってのは嘘で

逢い引きとかだったりしたら・・!

 

 

 

「こうしちゃいられん!」

 

 

 

ベッドから跳ね起きて

財布とスマホとキーケースを鷲掴む

 

適当に上着を羽織って玄関に立ったら

ガチャッてドアが開いた

 

 

 

え、なんで?

 

 

 

「げ、翔ちゃん寝るんじゃなかったの?」

 

「ニノ・・?」

 

「まぁいいかもう、ふふ、ハッピーバースデー、ひと月遅れのサンタさんですよ」

 

「ニノ?」

 

「なによ」

 

 

 

ふわふわもこもこの可愛いサンタの帽子の下から

寒さで真っ赤になった顔が可愛く笑う

 

そういえばクリスマスも一緒にいられなかったんだった

 

 

浮気疑ってゴメン

今日はデロッデロに甘やかしてやるからな

 

 

・・てか、

え?

ここまでそんなミニスカサンタの格好で来たわけ?

 

 

 

「電話で言えよ他の誰にその格好見せたんだ!」

 

「は?バカですか誰にも会ってないし。てかそもそも恥ずかしいんですよこの格好、だからこっそり入る予定だったのに」

 

「ここで着替えるんじゃだめだったのか?」

 

「私だってそうしたかったのに大野さんが・・!」

 

 

 

他の男の名前が出た拗ねた唇をガブリと奪う

 

舌を絡めてしゃぶって

首に手を回して抱き付いてくる小さな体を抱き締める

 

 

 

「んぅ、ふ、っ」

 

「ちゅっ、はっ・・プレゼントは当然ニノなんだよな?」

 

「野暮な事聞かないで下さいよ」

 

「明日は休み?」

 

「当然」

 

 

 

フフン、て得意気に笑う顔にもう一度キスをして

 

俺は大事に大事にニノの体を抱き上げた

 

 

 

 

(おわり)