智潤のお話です。ちょっと櫻葉の風味がします~
オメガバース下地に独自設定はいってまーす!
RED THREAD SYNDROME
「大ちゃんなんともなくて良かったね」
通話を終えた相葉くんがニコニコって振り返る
「さっきはごめん」
って言ったらキョトンとしてチラッてニノを見て
それから
「やっぱり松潤はかわいい!」
なんて言って抱き着かれたっ
「ちょっそれはや~め~ろっ!」
俺は大野さんみたいに小さくて可愛いわけじゃないんだから!
「イチャついてるとこ悪いですけど移動しません?」
盛大なため息と一緒にそう言われて振り返ったら
なんか・・ギャラリー増えてない?
俺は慌てて楽団のメンバーに会釈をして
相葉くんの背中を押しながらニノとその場を離れた
近くのコンビニは立地もあるのか人の出入りがそこまで激しいってわけじゃない
オメガとしてはあんまり人がいない方がいいんだろうけど
ある程度人の目がないと逆に怖かったりもする
コンビニは警官が立ち寄ったりするから
もしもの時に案外使えるんだよね
まぁ
いつも水しか買わない俺はあんまり長居するとこじゃないんだけど
「ここのカレーパンが一番美味しいんだよ~」
「そう言いながら食べてるの焼きそばパンじゃん」
「焼きそばパンも美味しいよ!」
「説得力」
「カレーパンはシメなの」
「パンにシメとかある?」
「ある!」
「あるんだ」
謎の自信に満ちた声でニカッて笑うから
ついつい俺も一緒になって笑っちゃう
そんなに言うならコレもきっと美味しいんだろうな
こんなとこじゃ滅多に食べないたまごサンドを口に運ぶ
「あ」
あ
やっぱ美味い
・・・ん?
なんか被ったな
声を辿って隣を見ればニノが弄ってたスマホを見たまま呟いた
「本当にあるんですかねぇ」
「なになに?」
「”男性が女性に性転換する疾患に罹り連れ添った同性の恋人と結婚、子供を身ごもる”」
「なにそのラノベの設定にありそうなの?」
「ああ~新作の本の話?」
「や、海外の話です」
スクロールしてた指が止まって
そのままいつものゲーム画面を起動する
五色の玉を動かして消していくパズルゲームで
ニノはとても上手なんだ
「性別変わるとかスゴいなぁ~」
「オメガがアルファになったりとかする方なら欲しいですね」
「あー、確かに」
そんな事が出来るなら
俺はベータになりたい
そしたらいつか出会っちゃう番に怯える事無く大野さんを自由に好きでいられる
けど男のままじゃベータの人にはキツいかな
だったら俺は女性になる方がまだ大野さんの視界に入れるかも
出来れば俺のまま愛してほしいけど
「松潤は女の子になっても可愛いんだろうな~」
「相葉くんだって美人になると思うよ。スタイル抜群の」
「ニノはぁ~」
「「柴犬!」」
「それもう人じゃねぇだろうがっ」
だって絶対柴犬みたいにあざとい可愛い子になりそうだもん
なんならニノが一番想像しやすい
そんなくだらない話をしながら待ってたら
割とすぐに大野さんが来てくれて帰ったんだけど・・
それからちょっと
なんか
体が熱くて
おかしいんだよね
(つづく)