戻ってきました智潤軸♡

オメガバース下地に独自設定はいってまーす!

 

 

 

 

  RED THREAD SYNDROME

 

 


 

 

練習場から出てくるときに確認したメッセージアプリに新着のアイコン

 

中を開けば大野さんから「ごめん!」のスタンプと一言

 

 

 

「珍しいな、大野さん迎え遅れるんだ?」

 

 


つい”珍しい”なんて口にしたけどもしかして初めてじゃないか?

 

今日どっかに行くとか言ってたっけ・・?

 

 

事前に遅れるって教えてくれることはあったけど

こんな直近で断り入れるなんてない

 

 

 

「なんかあったのかな・・」

 

 

 

ちょっとの事でも不安になって気になっちゃうのは好きな人の事だから仕方ないよな

 

なんか急に気持ちもソワソワしてくるし

どうしよう・・

 

 

大野さんが来るまで三十分ちょっとある

 

どこかで時間を潰す?

 

それとも家に帰ってしまう?

 

 

大野さんは大抵シェアハウスで仕事してるから

家で何かあったとすれば会えるし手伝えるはず

 

でも途中でまたヒートにでもなったら・・

 

 

落とさないようにファスナー付きのポケットに突っ込んだ抑制剤を確かめて迷う

 

・・・・うーん

とりあえず一回大野さんに連絡してみよう

 

 

 

「あっ!マッツジューン!終わった?」

 

「え、相葉くん?」

 

 

 

大野さんに下ろしてもらった路上のパーキングスペース近くで

こっちに向かってヒラヒラと大きく手を振ってる姿が見えた

 

 

 

「私もいるんですけど」

 

「ニノまで」

 

 

 

二人が稽古してる場所は電車で二十分は離れてる

 

俺を回収してから順番に巡って拾うはずなんだけど・・なんで?

 

 

 

「大ちゃんから遅れるってきてさ~だったらまとまってた方がはやくね?って!」

 

「言ったの私ですけどね。自分の手柄にしないでくれる?」

 

「手柄とかじゃないじゃん!」

 

「というかJ、連絡見てません?」

 

「へっ?・・あっ」

 

 

 

来てた

 

大野さんの言葉の後に二人のアイコンが「そっち行く」って口々に言ってる

 

 

 

「ごめん見てなかった」

 

「どうします?三十分くらいなら軽くカフェとか」

 

「コンビニのイートインでよくない?」

 

「安い男だな」

 

「ほっといてよ!」

 

「コンビニなら来たの直ぐわかるよね」

 

「じゃあそこで時間潰しますか」

 

 

 

そうと決まれば早い

 

俺が旬以外の誰かと話してるのが珍しいのか

二人の整った顔立ちが気になるのかはわからないけど

 

さっきからジロジロ見られてる

 

居心地悪くてたまらない

 

 

 

「大野さんにコンビニに居るって言っておきますね」

 

「あっ俺が言うよ」

 

 

 

丁度手に持ってるし

 

大野さんに連絡するつもりだったし

 

 

 

「えっと・・"三人で近くのコンビニに居ます"っと」

 

「ちょっと貸して~」

 

「えっ相葉くん!?」

 

 

 

言われた言葉を理解する前にパッと取られたスマホで

 

タタタッとタップして何かを打ち込んだ相葉くんが

なんだか満足げな顔で「はい」って返してきた

 

何かと思って画面を覗いたら

 

 

"寂しいから早く来て"

 

 

って・・マジかよっ/////

 

 

 

「相葉くんっ!!//////」

 

「だって顔に書いてあるんだもーん!」

 

 

 

うそっ

そんな分かりやすく!?

 

パッと頬を押さえてジロッと睨み付けてから

慌ててメッセージを消そうとしたけど

 

その前に既読が付いてしまった

 

 

 

 

(つづく)