最後はちゃんと智潤♀のお話です

女体化苦手な方は回れ右っ!

モブ視点でーす♪

 

 

 

 

 

TRADESCANTIA

 

 

 

 

 

グリンッ!と首がもげそうなくらい勢いよく振り向く

まさか、と嘘だろ、のせめぎ合う俺の目の前を高速で通り過ぎて、タタタッと足音を響かせていた甘い風が大ちゃんのすぐそばで止まった

 

つまりは俺の目の前で大ちゃんと・・・まさかの松本さんが向かい合って見つめ合っている

 


え?

 


は?

 


櫻井にも誰にもしたことないような緩んだ・・溶けるような?顔で松本さんがコツリと大ちゃんの額に額を合わせたんだけど?



え、ナニコレ


どゆこと??

 


負けじと大ちゃんの顔も幸せで緩みまくってんだけど・・・?

聞いた事ないような蜂蜜たっぷりの声で「届けてくれてありがと」て松本さんが囁いたのが聞こえてきたんですけど・・・?

 

俺はもう大パニックだ

 

 

「智の分はあるの?」

 

「潤のと一緒に持ってきたよ」

 

「やったぁ!じゃあ外で一緒に食べよう?」

 

 

ぴょんっ!とその場で飛び跳ねてみせるの可愛すぎる・・・

すぐにはしゃいだ自分を恥ずかしがって染めた頬に手を当てるのも可愛すぎる・・・

 


てか、待てよ



そうじゃんさっきのアラシくんチャーム!


いつだか見た松本さんが広げてたお弁当だ!

包んでた巾着についてた!全く同じチャームが!


しかもしかも


さり気なく大ちゃんと繋がれた手にある指輪


櫻井とお揃いのはずの指輪が大ちゃんともお揃いなんだけど・・・!?

 

 

「マ、マドっ、松本さん・・・!?」

 

「はい?」



キョトンと振り返る姿が可愛らしい

真っ直ぐ向けられる目がキラキラしてて顔が赤くなっていく俺


呼んだのに何も言わないから大ちゃんが何か察した


 

「・・・はは~ん?」

 

「・・えと、大ちゃん、睨まないで・・・・」

 

「そうだよ智くん。茂部が可哀そうだろ?」

 

 

櫻井翔!何時の間に隣に!

 

全然気配を感じ取れなくて心臓が飛び出すかと思った

バクバクうるさい心臓を手で押さえて呆然と櫻井を見たら「茂部って智くんと知り合いだったんだ」なんて爽やかな笑顔で聞いてきた

 

くっ眩しい・・・!

 

 

「おれの行きつけの店の常連なの。飲んでるうちに仲良くなった」

 

「そうだったんだ。智がお世話になってます」

 

 

丁寧にペコリと頭を下げる松本さん

大ちゃんの隣に立つ姿はなんかあべこべっぽく見えるのに・・なんかしっくりくる

 

うわ・・・本当に大ちゃんの・・・?

 

 

「苗字・・・」

 

「あ、職場では変更が面倒だから旧姓で名乗ってるんです。本名は大野潤ていいます」

 

「櫻井と婚約してるんじゃ・・?」

 

「は?だから違ぇよって言った・・・っほら!茂部が変な事いうから智くんが俺まで睨んでくる!」

 

「翔くん、そこらへんの話詳しく」

 

「怖ぇよ・・!てか、今ここで現在進行形で誤解解けてるから!大丈夫だから!」

 

 

いつになく黒い笑顔で櫻井を見る大ちゃん

 

どうどう、と宥めてる櫻井

 

そのやり取りを・・というか主に大ちゃんを見つめてニコニコしてる松本さん

大ちゃんの傍から離れる気配がまるでない

 

なるほど、一堂に会すると自分がいかに誤解していたのかわかる

松本さんの態度が櫻井といる時と全然違う

 

 

「みっちゃんも一緒に食べる?」

 

「いや・・俺はいいです・・・」

 

 

一通りじゃれ合うのは済んだのか、店で会うのと変わらない笑顔でそう聞く大ちゃんに首を振って辞退する

いま一緒にいるにはちょっと複雑すぎるんだ俺の心は・・・傷ついてんだかなんなんだかもうわかんない

 

 

「そっか。じゃあまた」

 

「失礼します」

 

 

仲良く恋人繋ぎで連れだってエントランスを抜けていく二人を涙ながらに見送ってガクリと肩を落とす


そうだよな、可愛い系っつったって大ちゃんもイケメンだ

あんまりにも気さくで素朴で親近感沸いてたから忘れてた


そりゃあ可愛い奥さんがいるよな・・・


いるよな・・・っううっ!



結局イケメンが勝つ世界かっ!!!



シクシク泣く隣で櫻井がポンと肩を叩いて「飲みに行くなら付き合うよ」なんて

イケメンを存分に発揮してくるから俺は傷心からキュンっとする



・・・・・櫻井のファンに鞍替えしよっかなぁ




(おわり!)