智潤♀️のお話です。 

女体化苦手な方は回れ右!

 

 

 

 RENTAL SUGAR

 

 

 

 

ドギマギしながらチラリと様子を伺うと、きょとんとした顔で大野さんがこっちを見てた

そうやって目をぱちくりしてる姿はなんだか幼い

 

ていうかずっと思ってたけど何故か私の家のキッチンなのにこの人がいるのしっくりくるな・・・・

なんか変なの

やっぱ私疲れてるんだ

スーツでも着てたらとてもキッチンに立って料理するような人には見えないのに、パッチリハマってる気がするなんてさ

なんでそう感じるんだろう?

 

 

「相葉さんとは以前何度か」

 

「そう、なんですか?」

 

 

そんな話聞いた事ない・・・彼氏をレンタルした~なんて話題、相葉ちゃんならペロっと話してくれそうなのに

面白かったよって

 

怪訝そうなのが表情に思いっきりでてたのか、大野さんは苦笑したままコンロの火を止めて

ポケットから出したスマホを操ると私へ「どうぞ」と差し出した

 

 

「すみません。最初からこれを見せればよかったですね」

 

 

写っていたのは私のよく知る相葉ちゃんと目の前の大野さんのツーショット写真の添付されたラインのやり取り

顔を寄せ合って仲良さそうに映ってる姿に胸の奥がズキッと痛む

 

 

『マツジュン今日退院だって』

 

『迎え何時?』

 

『11時。その後行ってもらっていい?あたし仕事あって』

 

『うん。大丈夫』

 

『ありがと大ちゃん!また連絡するね!』

 

 

依頼、と言っていた割にカジュアルなやりとり

なんかどっかお店を通したりするんじゃないんだ・・・友達みたいな気安さにも何故か泣きそうな気持になって衝動的にスマホを突っ返した

 

 

「随分仲が良いんですね」

 

「相葉さんが気さくな方なので。おのずと」

 

「・・・・」

 

 

相葉ちゃんの事を思い出しているのか、ふっと笑った顔がスゴく優しい

その事に気持ちがザワザワして落ち着かない

 

フランクじゃない話し方も・・気になっちゃう

 

私と彼は初対面だ。だから敬語で話されるのは仕方ない

それなのに・・・なのに・・・・

やだなぁって思っちゃう。なんか違うって

 

違うも何も初対面の人と敬語で話すのは正しい事のはずだ

 

大野さん自身にそういうなんか、そう思わせてしまうような何かがあるって事なのかな

 

う~ん・・

 

 

「・・とさん?・・まつもとさん?」

 

「えっ?あ、はい!なんですか?」

 

 

声をかけられてた事に全然気づかなかった

パッと顔を上げたら心配そうにこっちを見てる大野さんの顔

垂れた眉と不安そうな目が私をちゃんと心配に思ってくれてると分かる

 

 

「すみません・・そんなに体調が悪いとは思ってなくて・・・僕が居たら休めないでしょう。出来合いのものをお持ちすれば良かったですね。これ作ったら帰りますから」

 

 

 

(つづく)